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そして次の日の朝。

昨日のことなどなかったかのように、また仲良く手を繋ぐタマさんとミヤタさん、…と、僕はお散歩からご帰還。

……えと。朝からかなりニコニコのミヤタさん……一体何されたんだろ?
昨夜、地下に帰ってきた時はとってもお疲れのとろりとしたお顔してたの。身体も痛そうだったし。

で、でもきっと、誰も知らないほうが気持ち良く過ごせることあるよねっ!
みんなも敢えて訊かないみたいだったもん!ん、考えるのやめとこ。

とにかく、タマさんが黒いもやもやを発したらミヤタさんが危ないってことは覚えたよ!



…てな具合に悟りを開いた僕が、ミヤタさんに粉チーズ掛け朝ご飯をもらって、タマさんが鼻唄混じりにみんなの朝ご飯を作ってた時のこと。


『ぅええっ!!?』


昨夜の悲鳴よりはマシだけど、それでもびっくりしちゃうくらいの声がした。

キタヤマさんだ!

ミヤタさんが慌てて、様子を見に下の階に駆け下りていく。

僕も……あ、僕は朝ご飯食べてから。だって《お腹空いてたら戦はできない》んでしょ?


《戦》は知ってる!お父さんとテレビで良く見てたもん。みんなでガチャガチャしてウォーって叫んで棒を振り回すの。馬さんも頑張ってた。
だけど、犬は《戦》してなかったなぁ。


『照明が来ない?』
『アイツ、小学生の子どもがコロナ感染したらしくて…本人も要観察期間になったって。』
『ありゃ…大変。お子さん心配だね…お友だちは仕事できないの?』

ミヤタさんと階段を上がってきたキタヤマさんはソファにどかりと座り込んだ。難しいお顔してるね。
ちっちゃい子なのかなぁ。お父さんとお母さん心配で怖いだろうな……。


『重症化は今のところしてないらしい。
ご本人は検査では大丈夫だったみたいだけど…奥さんも仕事あるから大変。……あ、リモートで指示は出せるから若手に任せて仕事はなんとかできるって!
でもさ、今日は半分プラベでやってくれる仕事だったから…参ったな。』

キタヤマさんは、グーンと座ったまま伸びをして上半身をぐるぐる回す。
タマさんからできた朝ご飯を受け取って、ミヤタさんがテーブルに並べ始めた。
この匂いはきのこのオムレツとお味噌汁とサラダだね。え、果物ヨーグルトも??
タマさんてば、かなりご機嫌いいみたい。

『小学生か。比較的軽いとは言われてるけど、後遺症とかあまりないといいね。』

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作者名:みあん | 作成日時:2021年10月3日 15時

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