肆拾弐 ページ43
五「…ここ連日、鴉くんが来ない。え、なに、休暇?突然の?」
独り言をぼそぼそと呟く。
大きすぎる屋敷に響くもそれを拾う者はいない。
五月雨は部屋の中心で体を横にした。
やることが無い五月雨は寝ることにしたらしい。
畳んであったはずの布団はいつの間にか綺麗に敷かれ、太陽も丁度良い場所に昇っていた。
さて寝るかと布団に足を突っ込んだ時、
鴉「オイ」
あれほど音沙汰のなかった鎹鴉が入ってきた。
せっかくの眠りを邪魔された五月雨は拗ねているように頬をふくらませた。
五「音沙汰無しが突然やってきておいの一言ですか。」
鴉「ウルセエ。準備シロ。行クゾ」
五「どこに?」
鴉「イイカラ行クゾ」
五「任務?」
鴉「隊服ハ着ナクテイイ」
五「ってことは任務じゃないね。」
準備を済ませた五月雨は鎹鴉の後に続いた。
何処へ向かっているのかもわからぬまま、鎹鴉の言う通りに進んできた五月雨だったが、とうとう口を開いた。
五「…ねえ、鴉くん、これはどこに向かっているんだい?」
鴉「…オ前、アイツノコト心配ナンダロ」
五「あいつ?」
鴉「顔色悪カッタカラナ」
五「…あぁ、杏寿郎くんね。…心配はしてないよ。彼だって柱だもん。」
鴉「ジャア何デ浮カナイ顔シテタ」
五「…なんかさ、胸騒ぎがしたんだよ。嫌な予感っていうか、なんて言うか。」
鴉「…」
五「…ある一定の条件を充たした人間は、色が変わる。それのせいかもしれないけど」
鎹鴉は静かに五月雨の頭の上に止まった。
いつもならやめてくれという五月雨も、この時は静かだった。
81人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kiitigo(プロフ) - 涙さん» 一応柱ということで進めています。わかりにくい表示で申し訳ないです。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 365b906ec4 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 階級は柱と甲どちらでしょうか? (2019年11月28日 23時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Kiitigo x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 22時