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肆拾 ページ41

五「伊之助くんやい。」
伊「なんだ。」
五「…こんなところで何してるんだい?」
伊「…」
五「しのぶさんに怒られるよ。」

黙って五月雨のことを見つめている嘴平伊之助。
それは百も承知であるかのような沈黙の間を五月雨は長く感じていた。
だがしかし、急かすのも、良くはない。
そう思った五月雨は、嘴平伊之助が口を開くのを待っていた。

伊「…女に負ける。」
五「悔しい?」
伊「…」
五「…カナヲさんの事、自分より弱いやつだって、思ってる?」
伊「…」
五「…伊之助くん。君は確かに強い。」
伊「当たり前だろ!俺は山の王だからな!!」
五「…でも、カナヲさんには勝てない。」
伊「うるせえ。」
五「なんでだと思う?」

五月雨はじっと、どこを見ているのかわからない伊之助の目を見ていた。
なぜ負けるのか。
伊之助は考えたこともなかった。
二人の間にはまた、長い沈黙が流れた。

五「…伊之助くん。君はカナヲさんに足りていないものがある。」
伊「…なんだよ。」
五「続ける力。」
伊「んだそれ。」
五「…途中で辞めずに、続けてきている。それがどれだけすごい事か、分かるかい?」
伊「…」
五「…伊之助くん。出来ないのかい?」
伊「あ?」
五「君の呼吸は自分であみ出したものだろう?それができた伊之助くんになら、簡単なことだと思うよ。」
伊「…」
五「伊之助くん。強くなったら、勝負してあげる。それまでは手合わせ禁止。」
伊「はあ?今やれ!」
五「禁止。」
伊「…ちっ。」

不愉快そうな雰囲気を出しながらも、どこか吹っ切れたように見えた五月雨は、その場から去った。

五「…君たちなら、強くなれるよ。」

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Kiitigo(プロフ) - 涙さん» 一応柱ということで進めています。わかりにくい表示で申し訳ないです。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 365b906ec4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 階級は柱と甲どちらでしょうか? (2019年11月28日 23時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kiitigo x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 22時

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