参拾漆 ページ38
五｢ふぁぁぁ…｣
藤の花の家紋の家にて朝を迎えた五月雨は、寝ぼけていた。
部屋にあった置物と鎹鴉を間違え、一人でぶつぶつ言っていたのである。
朝餉を食べるとそのことに気づき、｢なんだ鴉くんじゃなかったのか｣と何故か納得していた。
身支度を済ませ、挨拶をし、お館様の元へ向かった。
五｢なんの話されたのかな。今回は。｣
鴉｢俺二聞クナ｣
五｢いや聞いてねえよ。｣
鴉｢喋ッテネエデ走レ｣
五｢お前ほんとに当たり強いよな。｣
鴉｢ア？｣
五｢怒んないで。｣
それから五月雨は無言で走った。
喋ると鎹鴉につつかれるからであった。
少しして、見慣れたお屋敷が見えた。
五｢…ふぅ。｣
呼吸をひとつ整えると、砂利道を進み、柱合会議が開かれるいつもの庭へ向かった。
耀｢やあ、A。体調はどうだい？｣
五｢お陰様で良くなりました。｣
耀｢なら良かった。｣
五｢柱合会議を欠席してしまい、申し訳ございません。｣
耀｢いいや。Aの体の方が大事だからね。｣
五｢しかし、任務も途中放棄してしまった挙句、柱合会議を欠席いたしたのです。頭を下げねば気が済みません。｣
耀｢…そうかい。けれどね、A。誰もそんなことを責めてはいないよ。どの子達も、ね。｣
五｢…左様ですか。｣
耀｢嗚呼。｣
五｢それで、今回の柱合会議では、何をお話されたのですか？｣
耀｢那田蜘蛛山の報告、それから隊士の質についても話したね。｣
五｢…隊士の質、ですか。｣
耀｢嗚呼。あ、あと、会議前に炭治郎について、柱の皆に話した。｣
五｢…どう、でしたか？｣
耀｢始めは反対されたよ。実弥が自分の腕を切りつけて出血させて禰豆子に突き出した。｣
五｢…！｣
耀｢でもね、禰豆子は見向きもしなかったよ。｣
五月雨は少しほっとしたような表情を浮かべていた。
竈門禰豆子が人を食わぬと思っていたが、稀血である者に対しては確証が持てなかったからである。
五｢それでは、竈門禰豆子は皆に認められたのですか。｣
耀｢いいや、まだ認められた訳では無い。｣
五｢…となると、竈門禰豆子が今後どう動くかによって変わるわけだ…｣
耀｢炭治郎もまた、それを証明しなければならないけれどね。｣
五｢…彼等なら、大丈夫でしょう。｣
五月雨は自信気に笑った。
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Kiitigo(プロフ) - 涙さん» 一応柱ということで進めています。わかりにくい表示で申し訳ないです。 (2019年11月28日 23時) (
レス) id: 365b906ec4 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 階級は柱と甲どちらでしょうか？ (2019年11月28日 23時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kiitigo x他1人 | 作成日時：2019年10月19日 22時
