参拾陸 ページ37
鴉「カァァ!」
五「うおっ」
鴉「変ナ声ダナ」
五「鴉くんがいきなり来るからでしょ。」
鴉「オ館様ガオ呼ビダ」
五「…あ。柱合会議欠席したんだった。」
鴉「ホラ行クゾ」
五「体力戻ってないっつーの。」
鴉「ドウセ此処二戻ッテクル」
五「へーへー。」
こうして、五月雨は走った。
お館様の元へ。
嘴平伊之助の全身訓練が終わった直後なためかなり体力を消費してからの移動となり、五月雨は悲鳴をあげた。
鴉「オ前大丈夫カ」
五「君酷いよね。」
鴉「藤ノ花ノ家紋ノ家二行クカ」
五「…夜遅くなるだろうから行こうか。」
鴉「マア別二明日デモイイカラナ。」
五「…鴉くんさ、それ先に言ってくれない?」
鴉「言ッテナカッタカ」
五「聞いてねえよ。」
鎹鴉は「ケッ」と鳴くと、どこかへ飛び去った。
藤の花の家紋の家を探しているのだろう。
五月雨は走るのをやめて、鎹鴉が来るまでゆっくり歩いた。
静かな道は昼間の賑やかさを隠し、不気味な静けさに彩られていた。
五「そういえば、あれから行ってないな。」
忘れている記憶を思い出せる手がかりのあるあの街に。
呟く五月雨を風が包む。
ひんやりとしたその風は、雨の匂いがした。
鴉「着イテコイ。置イテクゾ」
五「…ああ。」
五月雨は、空を見上げて小さく笑った。
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Kiitigo(プロフ) - 涙さん» 一応柱ということで進めています。わかりにくい表示で申し訳ないです。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 365b906ec4 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 階級は柱と甲どちらでしょうか? (2019年11月28日 23時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kiitigo x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 22時