弐拾捌 ページ29
無数の蜘蛛の巣が張られている那田蜘蛛山。
竈門炭治郎ほど鼻が良くない五月雨でさえも、つんと来る悪臭を感じ、眉間に皺を寄せていた。
とにかく我妻善逸の元へ足を進める五月雨は、途中途中に現れる人面蜘蛛にびびっていた。
五「…まだ、着かないんですか?」
鴉「モウ少シ」
五「人面蜘蛛が気持ち悪いのですが。」
鴉「仕方ネエ」
そうしてしばらく走っていると、少し開けた場所に出た。
ぴりぴりと電気が空気をつたい、浮かんでいる建物の上に、人影があるのが見えた。
五「あそこですか。」
踏み込む音が聞こえたと思えば、五月雨は屋根の上へ登っていた。
五「我妻様。…毒にやられていますね。鎹鴉殿。」
鴉「ナンダ」
五「蟲柱様をお呼びください。」
鴉「オウ」
五「我妻様。呼吸で毒の巡りを遅くするのです。」
善「じい、ちゃ…」
五「じいちゃん?…兎に角、そう、ゆっくり、呼吸を意識してください。…上手です。」
し「Aさん?」
五「蟲柱様。」
し「彼が言っていた子ですか?」
五「はい。」
し「もしもし、聞こえますか?」
五「…彼のこと、お願いします。…それでは。」
五月雨は蟲柱 胡蝶しのぶに我妻善逸を任せ、山の中へ入っていった。
至る所にある隊士たちの遺体を横目に、五月雨は足を進めた。
五「…竈門様の元へ向かおうと思ったのですが」
鴉「竈門炭治郎ハ今下弦ト戦ッテイル」
五「急いだ方が良さそうですね。案内頼みます。」
鴉「着イテコイ」
向かうは竈門炭治郎の元。
鬱蒼とした木々が深さを増させる夜の闇に、五月雨Aは消えていった。
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Kiitigo(プロフ) - 涙さん» 一応柱ということで進めています。わかりにくい表示で申し訳ないです。 (2019年11月28日 23時) (レス) id: 365b906ec4 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 階級は柱と甲どちらでしょうか? (2019年11月28日 23時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kiitigo x他1人 | 作成日時:2019年10月19日 22時