我が命が尽きる時まで【鬼滅の刃】

拾玖 ページ20

鴉｢イツマデ寝テル｣

鴉の煩い声によって起こされた五月雨は機嫌が悪かった。
というのもこの五月雨、鬼殺隊の中で1番寝起きが悪いのである。
普段の寝不足のせいだと言われているが、五月雨本人は全く自覚がないので、本当のところは分かっていない。
そして、その寝起きの悪さから隊員達は起こしに行きたがらないものがほとんどなので鴉が起こすのだが、その鴉の声が煩く、五月雨の機嫌が更に悪くなっているのだ。

五｢チッ｣
鴉｢イイ加減進マネェト。｣
五｢わーってるよ。｣
鴉｢ホラ、行クゾ｣
五｢せめて顔洗わせろよ。｣

寝起き5分で支度を済ませ、そこの家主へと挨拶に行った。
昨日の夜、頑張ったのが幸いしてか、産屋敷邸まで、2時間程度のところまで来ていた。
だからこそ五月雨はもっと寝ていたかったのだが、次の任務もあるため、そうはいかなかった。

五｢お館様に直談判しようかな。休みくれって。｣
鴉｢ヤメトケ｣
五｢いいじゃん別に。｣
鴉｢給料下ガルゾ｣
五｢それはだめだ。よし頑張ろう。｣

お金のことになると早い五月雨の扱いを熟知している鎹鴉。
実はこの鎹鴉、頭が良い。
頭がいいからこそ、五月雨を制御するために、お館様に言われ、五月雨へとついたのだ。
一方の五月雨はというと、戦いに関しての頭の回転は早いが、普段は全くなのである。
鎹鴉に阿呆と言われた数が数え切れないほどに。
と、雑談している間に産屋敷邸へ着いたようだ。

｢五月雨様ですね。どうぞお上がりください。｣
五｢お、お邪魔しマース…｣

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