Fischer's-(短編集6)

ただいま -Fischer's- ページ1

結衣『……………』





彼等は私だけを残し、忽然と姿を消してしまった。





結衣『どうして？…私も、…私の事も連れてってよ…っ…何してんのよ…馬鹿っ！！』





彼等が居なくなってから2年…





彼等が姿を消した当時、
事務所も困惑していた様子でニュースにまで取り上げられていた。






消えたFischer'sの真相とは！？

Fischer'sが消えた！？残されたメンバー、結衣との間に一体何が！？

【悲報】何故！？どうして消えたFischer's！！





私も訳がわからないまま、
様々な取材や取り調べをされ
1ヶ月の間は事務所に缶詰にされていた。




何を問いかけられても私は首を横に振る事しか出来なかった。





結衣( 私が1番知りたいよ… )





あれから2年…




未だに彼等の消息は途絶えたまま。





それでも私は動画を止める事は無かった。



1人だけど、これだけは続けたかった…



もしも、何処かで見ててくれているのなら…



教えて欲しい…



今、貴方達は何処で何をしているのかを。








結衣『どーも、Fischer'sの結衣です！！今日は〜…』






今日も虚しく部屋に響く私の声…






結衣『1人って………寂しいんだよ？…シルク…マサイ、もっきゅん…ぺけたん…ダホちゃん…ダーマ、ザカオ！！』





私はボヤける視界の中、昔の動画を名残惜しく見返していた。





その時、





シ「……お待たせ。」

結衣『………へ？』

ン「あ〜、ほら！！やっぱり泣いてる！！」

モ「ごめんね？1人にさせて。」

ぺ「ほら、ティッシュティッシュ。」

ザ「寂しかったよね？」

ダ「悪かったな、突然…」

マ「よく今まで1人で頑張りました。」








彼等の声にパソコンから顔を上げると、
私に向け微笑む懐かしい彼等の姿。








結衣『な…どっ…なんっ
ン「まぁまぁ落ち着けって
モ「いや〜それは無理があるww」

ザ「突然現れたらビビるよww」

ダ「2年も居なかったわけだしな？」

マ「当然のリアクション。」

ぺ「色々話したい事もあるんだけど…」






するとシルクが私の涙を指で拭って呟いた。







シ「結衣。」






満面の笑みでハニカム彼に私は思わず抱き着いた。




聞きたい事は山ほどあるけど、
今はそんな事よりも…








結衣『ーッ…おかえり！！みんなッ…』








「「「「「「「 ただいま！！ 」」」」」」」

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