-35枠- ページ36
頬を赤らめ恥じらう彼女が可愛くて、つい…
シ「バーカ、何もねぇよ。」
頬が緩むのを隠す様に、欠伸を一つ。
事情を説明すると
彼女は安堵した様に肩を落とすも、
今度は物凄く反省した様に布団に顔を押し当てた。
結衣『ご迷惑をお掛けして、すみませんでした…本当ありがとうございます。』
情け無く眉を垂らしながら、俺に謝罪した。
シ( いや、むしろ俺が送ってやれれば… )
少しの罪悪感に首を振った。
シ「ん？いや、別に…気にすんな。」
結衣『………』
シ「………」
それから続いた静寂。
昨日、何処まで覚えてるのか分からない…
それでも…話さねぇーと。
ちゃんと…
俺の気持ちを。
シ「昨日の
結衣『昨日
俺の声に被る様に、彼女も語り出した。
咄嗟に首を傾げて見せるも、遠慮して俺に譲って来た。
シ( 昨日…って、言ったよな？ )
やっぱ、覚えてんのか…
そして緊張ながらも口を開いた。
シ「昨日のキス……」
俺が語り出した途端、
彼女は慌てた様子で俺から視線を外し俯いた。
それでも、
ちゃんと謝らないといけないと思ったから…
我慢出来なかった事…
順番を間違えたけど、君の側に居たいんだ…
君の事が…
シ「ごめん、俺ッ
言い掛けた時だった。
彼女の携帯が突然鳴り出した。
シ( どんなタイミングでッ… )
遠慮してるのか、
一向に出ようとしない彼女を促し部屋を出て行った。
扉のすぐ向こうで彼女の頷く声が聞こえる。
俺は布団に顔を沈め、大きく深呼吸をした。
震え出す手に思わず苦笑が溢れた。
シ( 柄にも無く緊張してんじゃねぇよww )
そして彼女が戻って来た。
が…
結衣『ご、ごめん！！今から仕事行かなきゃいけなくなっちゃった…』
シ( マ…マジかww )
きっと神様が、今じゃない。とでも言わんばかりに…
シ( 仕方ねぇか。 )
申し訳無さそうに目を伏せる彼女に、首を左右に振った。
シ「ん、気にすんな。話なんてしようと思えばいつでも…」
いつでも何て言ったけど、
そんな簡単に会えるもんじゃ無い。
それを察したのか、
黙り込んでいた彼女が俺を見上げて呟いた。
シ( そんな………突き放すなよ…… )
俺…
どんな顔してたかな…
情けない顔してんだろうな…
シ「………また、LINEする。」
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