見つめるだけじゃ始まらない -Fischer's. Silk Road-

-25枠- ページ26

ピロリン


ー通話終了ー





結衣『………』





私は暫く液晶を眺めていた。

メッセージ画面には、通話時間が残っている。





結衣『本当に電話…して、たんだ…。』





改めて考えると…





結衣『だ、駄目だッ…こんなん狡い〜ッ！！』





私は携帯を抱き締めソファーに倒れ込んだ。




そして今日、
私は自分の気持ちに気付いてしまった。





結衣『嫉妬、してたんだ…私。』





モヤモヤしていた気持ちは彼の言葉で一気に晴れた。




それと同時に、私は自覚せざるえなかった。






結衣『私はきっと……彼の事が……』





徐々に縮まる距離に戸惑いながらも、
一度自覚してしまったら後戻りする事は出来ない。


無謀な恋だと分かっていても…



想いは加速する。





結衣『どうしよう…』





結衣( 会いたい… )





叶わぬ恋

でも、想う事は罪では無い。

進展しなくても良い。

このままの距離でも構わない。

贅沢は言わないから…





結衣『好きでいる事くらい…許して下さい。』





切なく胸を痛めながら、ゆっくり瞼を閉じた。







翌朝


携帯のアラームが私の眠りの邪魔をする。




結衣『んん……、』




眠た目を擦りながら、
ソファーで寝てしまった事に後悔する。




結衣『身体バキバキ…』




ボサボサな髪を手櫛で梳かしながらアラームを止めた。




結衣『……ん？』




ホーム画面に戻ると、
LINEが入っていた事に気付いた。


彼だと分かると、胸が大きく音を立てる。







結衣『………えッ！？』





内容を確認した私は思わず口に手を当てた。





結衣『ど、ど、ど…どうしよ…』





今日は朝から熱くなりそうです。

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