ノコリ×ハ×キコリ ページ5
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船長の反応を見た私は、
やっぱり他の3人の名前はラストネームだったのか!と急いで「Aです!」と言い直した。
ついいつもの癖で苗字を告げてしまったことを恥ずかしく思いながら俯いていると、まるで何事もなかったかのように船長が私たち全員を見渡す。
「お前ら、なぜハンターになりたいんだ?」
(ハンター……?)
その日常生活では滅多に耳にしない言葉に、
私1人だけが困惑していると、ゴン君を挟んだ隣にいたレオリオさんが訝しげな表情でサングラスを光らせた。
「おい、えらそーに聞くもんじゃねーぜ、面接官でもあるまいし」
(め、面接官……?)
彼の言葉にますます訳がわからなくなり、目を回しかけるが、船長の「いいから答えろ」という有無を言わさない返答に、意識を取り戻す。
その船長の態度に痺れを切らしたのか、レオリオさんが突っかかると、
隣のゴン君がハイハイ!と場の空気を変えるような明るい声を発した。
「オレは親父がハンターなんだ!だからハンターを目指してる!」
「おい待てガキ!勝手に答えるんじゃねーぜ、協調性のない奴だな」
「いいじゃん、理由を話すくらい」
左隣の2人がいざこざを始めると、私の隣に立っていたハンモックの青年がその場を諌めるように静かに口を開いた。
「私もレオリオに同感だな」
「レオリオさんな」
ハンモックの青年はレオリオさんの言葉に耳を貸すことなく、尚も涼しい顔で自身の考えを述べ続ける。
「私の志望動機は、私の内面に深く関わりすぎている。したがってこの場で質問に答えることは出来ない」
「おい聞けコラ!」
よくわからないが、この3人は多分「ハンター」という資格?職業?に就くための試験をどこかでするためにこの船に乗船しているのだろう。
それにしてはその「ハンター」という言葉の意味が不透明すぎる。
当然だが、この場にいる全員にとってその職業は近くにあるものなのだろう。
どう考えても普通ではないその職種が、日常生活で生きていて当たり前にある世界。
私は本当にどんな世界に来てしまったんだろうか……
「そうかい、それじゃお前らも今すぐこの船から降りな」
「何だと」
船長の発した一言に、
レオリオさんの一方的なクラピカ君への言葉が止まり2人は同時に船長の方へ向き直った。
「まだわからねーのか?すでにハンター試験は始まってるんだよ」
「「「!」」」
「……?」
その言葉に驚く3人に並べずに、私はただ先程から初めて聞く言葉に呆然とすることしか出来なかった。
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実珠 - あぴさん» はい!!とても楽しみです!!あーキルア格好いいなぁー!!!自粛明けで大変かと思いますが是非更新頑張って下さい、応援してますよ! (2020年6月8日 22時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 実珠さん» お久しぶりです〜今回もコメントありがとうございます^-^ 自粛明けて忙しくなりましたしね〜これから本格的にハンター試験も始まりますので、また読んでいただければ嬉しいです! (2020年6月8日 14時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
実珠 - あぴさん» お久しぶりです!学校行ってて中々見えませんでした…まとめて読んだんですけど久しぶりだからか余計に面白く感じました!やばい!面白い!!これからも応援してます! (2020年6月7日 19時) (レス) id: 455069b8f0 (このIDを非表示/違反報告)
あぴ(プロフ) - 璞さん» 初めまして、コメントありがとうございます!読んでいただき嬉しいです(^^)大変お待たせしました!私自身もやっと始まる〜!という感じです笑 全員キャラがいいんですよね……わかってくれる方がいて嬉しい…絵も褒めていただきありがとうございます、更新頑張ります^-^ (2020年6月5日 13時) (レス) id: 672d662638 (このIDを非表示/違反報告)
璞(プロフ) - あぴさんがみんな好きっていうのとってもわかります!!^ ^ 中でもアダルトリオはとっても素敵だと自分も思いました!、話は戻るのですが、、絵もとても素敵で本当に更新楽しみです、無理しないように頑張ってください(?)応援してます!!^ - ^ (2020年6月5日 0時) (レス) id: e8c51eabaf (このIDを非表示/違反報告)
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