アンチvsアンチ抹殺部隊【リレー】【アンチ抹殺委員会】Ⅱ (ページ38)

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ゆらゆら(にゅこちゃ) ページ38

微振動だが、僅かな揺れで目が覚めた。
まだ、体は動かないけど。

私を抱えてる人物＿＿＿＿＿＿来珠は誰かと何かを言い争っている。この人はもしかして、日向さん？

「にゅこちゃさんを離して。その方は委員会にとって、欠けてはならない存在だ」

「無理よ。本部からの命令には従えないし、それを聞いたらますます離す気がなくなるわ」

「……ッ姉さんは、変わっちゃったね。昔の優しい姉さんは、何処にもいない」

「元々こういう性格よ？昔は猫を被ってただけよそれに、昔も今も“来珠”という存在である事は変わらないわ」

＿何の話だろう。あんまり、首を突っ込んではいけない気がする。でも、起きてしまったものはしょうがないし…
＿＿＿

コイツは日向さんを追いかけ回そうとしている。
その前に、止めなければ。

「私を止めようたって、無駄よ。にゅこちゃ。」
「…ッ？！」

「ふふ、人の感情を読むのは得意なの。生憎ね。あなたのような人は尚更。それに、前あなたに飲ませた薬には体が動かなくなるような作用があるから。」

「…でも」

「“また”さっきみたいな痛み、味わいたい？」

＿＿＿それは、嫌だ。僕だって、好きで痛くなりたいわけじゃない。あの人達に危険がありそうだったらどうにかしよう。
それまでは、体力回復を…て、あの子は……。

こちらに一直線に向かってくる子は開発班の‥葉月さん？
もしかして、霊珠さんとコイツを見間違えているんじゃ…。絶対そうだ。

前、リーダーがあの子に地図を渡していたのを思い出した。道に迷っているのか。

でも、こっちに来てはいけない。

そう伝えるすべもなく。

「…こち、来ちゃ…だ‥」

絞り出せたのはたどたどしい声。