３ 寂しい ページ3
私物とパソコンの中身の整理をし終わる頃には課長が出社してきたから、お世話になりましたと心を込めてあったかいココアを入れる。
猫舌だから少し温めに。
「課長、これまで大変お世話になりました」
デスクにマグカップを置くと、「ああ、ありがとう」と早速手に取り口に運ぶ。
「ああ、やっぱりAさんのココアは美味しいねぇ。温度も濃さも調度良くて。
明日から寂しくなるね・・・」
「みんな課長が猫舌なのも少し濃い目が好きなのも知ってますから大丈夫ですよ(笑)」
声を上げる事など一切無く、いつも穏やかな課長は私の癒しだった。
忙しくて殺伐としていたとしても、「そんなに急がなくて大丈夫だから確実にね」と笑う課長の顔を見れば自然と心が凪いで行く。
「でも、やっぱり寂しいです」
「異動はサラリーマンの宿命だから。こればかりは仕方ないねぇ。
ま、部署が違うだけで同じ社内だから今生の別れって事でもないし、何かあったら相談にも乗るから。
たまには顔出しなよ」
「はい」
そこから少し、異動先である営業部の深いところ(特に人間関係や人物像など)のありがたーい情報を頂いたりしていると、そろそろ入社式の準備の為に講堂に行かなければいけない時間になって。
同じく準備担当になってる後輩社員が来た事で話も終わった。
・
新入社員に渡すＩＤを揃えながら、フラワーショップに頼んでいた花が届けばそれを受け取り、あとは役員への確認などもして。準備が終わる頃には開式まで１時間を切っていた。
早い人ならもう来てしまうかもしれない。
「もう座ろうか？」
「そうですね。カッコイイ子来るかなー♪」
「それはどうだか(笑)」
今日は午前中は入社式で潰れて、午後は通常営業。
といっても明日から早速新人研修が始まるからどこの部署もバタバタだろう。
ハッキリ言って、新人なんてお荷物そのもの。
最初から何もかも出来たらそれはそれでなんかちょっと鼻に付くけど。
そんな、何にも知らないまっさらな彼らに仕事を教え、ついでに会社のルールや社会のルールを叩き込んでいくのだ。
就業時間は新人に時間を使い、残業時間に仕事を片付けるという日々が最低１ヶ月。
５月病で辞めるなんてのが毎年数人いるけど、それを乗り越えれば入社３ヶ月目くらいでやっと少し使えるようになってきて、半年経てば一応一通りこなせるようになる、筈。
まあ当て嵌まらないのもたまにいるけど。
今年はどうなのかな。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
