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A)…
久しぶりに書類整理ってものをした気がする。
まぁ、生徒会の仕事はぶっちゃけこれが初めてなんだが。なぜかって?それはまぁいろいろあったから
前回も書いたが、ここの空間を治める天祥院英智が苦手だって言うのも理由の一つだ
無理やり入れられたわけで、私の意思でここにいるわけではないことも伝えておこう
私が実際見ていた書類は五奇人の一人であり、私が居候させてもらっている斎宮宗…
彼のユニットの物だ。あの完璧主義者は基本的になんでも自分でやってしまうのだが
たまにふらっと頼んでくることがあるのだ
宗は恩人だし、普通に人として好きだから雑用だってなんだってやってあげるけど
天祥院は…恩人を悪人に塗り替えた嫌いな人なのだが、さきの件では救われた
彼がいなければおそらくこんなに早く穏便に解決はしなかった
そういう意味で恩人でも悪人でもあるこの男は私の中で立ち位置が決まっていない
だからあくまで私は真緒の手伝いにとどまった
私の考えを見抜いてなのか生徒会長はにこりと笑いながら手を組んで
そのうえに自身の顎をのせた
見えないけど、足組んでるんだろうな…何企んでのか
祥)僕を助けることで真緒を救う形になるのなら…君は手伝ってくれるのかな
A)…そういうところ大嫌い
私は手を止めて声の主を睨んだ
突然こういう事を言ってくるのだ、心を許してないゆえにひどく警戒してしまう
衣)会長、あんまりいじんないでください。ほら、手伝ってくれるんだろ?
A)…
衣)こらこら、木刀は触るなって
私の手が足元に隠している木刀に向いていると気づいた真緒がすくうように手を握ってきた
机の下で起きているため誰にも見えない。
彼の体温が伝わってくるのを感じると私も少し落ち着いてきた
A)…次は病院送りだから
祥)フフッ怖いなぁ
ふんっと会長から視線を背け、真緒の手を握り返す
真緒はこちらを見ずに、でも口元をほころばせて作業を続けた
あぁ、不思議。彼の反応だけでこんなに心があったかい
隣の彼を見ながら静かに笑みをこぼした
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作者名:♪護♪ | 作成日時:2017年3月15日 2時