先端恐怖症の衣更真緒の話 (ページ19)

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大好き side，R ページ19

スタジオのドアが勢いよく開いて、聞きなれた声がした。

「りっちゃん！！」

「ま～くん……」

汗だくで、俺に一歩ずつゆっくりと近づいてくる。

「ダメだよ、ま～くん。俺のこと怖いでしょ、絶対、もう一緒にいるのは無理って思ってるくせに…」

「何言ってんだよ！」

ま～くんの威勢のいいいつもの声がスタジオに響く。

「俺は凛月のこと、もう怖がらない、先端恐怖症も克服できるよう努力する、だから、まだ一緒にいようよ。ね？」

「ま～くん、無理はしなくていいんだよ」

「無理してない！俺は本当に凛月とこれから先もずっと一緒にいたいと思ってるから、お願い、りっちゃん」

ま～くんはまっすぐ、俺を見る。

さらに近づいてきて、俺のことを抱きしめた。

「怖くない。俺はもうりっちゃんを傷つけない。約束する。大好きだ」

「うっ………」

俺はまた、人の腕の中で泣いた。

「こっちの、セリフ…。ま～くん、大好きだよ…」