#6 水見式 ページ6
「まさか、本当にすぐ出来るなんて…」
驚愕と、僅かな歓喜を含んだ声で呟く。
生暖かさを肌全体で感じながら、それに笑顔で応えた。
「まるで身体が知っていたみたい。それくらい、オーラがしっかり留まってる」
身体が。その言葉に何処か引っ掛かるものを感じた。しかしそれは漠然としたもので、それを突き止める前にカルトが更に続けた。
「それじゃ、念の系統を調べよう。
発の時に言った必殺技に大きく関係する。
この図みたいに……系統は、6つに別れる。
隣同士は会得しやすいから、主となる能力の応用として使う事もある。反対側の系統を会得しようとする事はおすすめできない。
強化系はその名の通り自身の強化や自己治癒の強化を得意とする。
変化系はオーラの質を変化させる。例えば…熱いもの、冷たいものとか。
具現化系は物を具現化する。確立したイメージがないと出来ないから、最初は難しいみたい。
放出系はオーラを放出する能力に長けてる。オーラで作った弾を撃つとかはこれだね。
操作系は人や物を操る。操作出来る順番は早い者勝ち。
特質系は……イレギュラーだから説明が難しい。そうそう無いと思って良いかな。
ここまでが説明。
自分の系統を調べる方法があって、それを水見式と言う。
……これ、これに向かって練をして」
容器一杯に水が張っており、その上に葉が乗せてあるコップを指して言う。
言われた通り、先程教わったばかりの練をした。すると、葉は枯れ落ち、水には不純物が混ざった。
これはどういう結果なのだろうとカルトの方を見れば、瞳を一杯に開いて、信じられないと呟いていた。
「カルト、ちゃん…?」
声をかけるとハッとし我に返ったようで、しかし尚もどういうことなんだろう、といった意味の言葉を繰り返していた。
やがて整理をつけたのか、それとも整理する為だったのか、小さな口をしっかりと開いた。
「先に反応があった方は枯れ落ちた葉……つまり具現化系であることを示すの。
でも、そのあとの、これは……5つの何れでもない。イレギュラーな特質系………ううん、環境が左右されることはあっても、こんな…普通に、変わる事って…」
もう一度やってみて、と言われもう一度試みるも、間違いではなかったようで結果は変わらなかった。
「なにがいるの?」
無意識だったのかもしれない。
だが、カルトが呟いたその言葉で、彼女が覚醒した。
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ティア - カルトは男。まぁ女でも可愛いけど! (2015年4月2日 14時) (レス) id: 10fa437b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しのみや | 作成日時:2013年3月15日 7時