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夏の夜独特の、じめじめと肌に付く暑さ
鼻に触れる土の匂いとすり硝子のような半透明な空気の中
私は淡い水色の浴衣に袖を通す
ゆき「わぁ、Aちゃん超可愛い!!」
A「ふふっありがとう。ゆきちゃんこそとっても可愛いよ!!」
どこか甘い香りを纏った桜の色の浴衣は、ゆきちゃんの白い肌によく似合っている
トモミ「二人とも遅いわよ!私たちもう髪まで結っちゃったわ」
A「ごめんごめん〜。トモミちゃんもおシゲちゃんもと〜っても可愛いね!!」
トモミちゃんは白百合が上品な薄緑の浴衣、おシゲちゃんは小花が散らばった淡黄色の浴衣を着て、簪で髪を結わえている
ゆき「まぁまあそんなに慌てないで。お化粧もしましょうよ!」
頬に淡いピンクの紅を指すと、一気に気分が高揚した
A「楽しい!もう既に楽しい!!」
トモミ「"可愛い"って楽しいわよね!」
みんなでキャッキャっとはしゃぎ出す
ゆき「さぁ勝負はここからよ。みんな私たちに惚れちゃうんじゃない?」
おシゲ「当たり前でしゅよ!」
こんな冗談を言うのも、堪らない程楽しくて。
夏祭りの開始は酉の刻
A「まだ少し時間があるから、先に屋台ちょっと見ていく?」
トモミ「そうしましょ〜!」
くのたま長屋を出ると、長い廊下は既に提灯で飾られていて、準備をする声が楽しそうに響いている
ゆき「凄いわね。いよいよ"祭り"って感じ〜」
A「あ!学級委員長委員会はお面と簪の屋台みたい!行ってみよ!」
一番に目に入った学級委員長委員会の屋台に近づくと、委員全員が揃っていた
尾浜「あ…おい、三郎///」
私に気づいた尾浜君が三郎をつつこうとしたが、それよりも先に両手で三郎の目を覆った
A「だ〜〜〜れだっ!!!」
鉢屋「いや、バレバレなんですけど…。そんな可愛いことするのマジでやめて下さいません?」
三郎はそう言いながら、私の手を外して振り返ると__
瞬く間に顔を林檎のように赤くした
A「えへ、可愛いでしょ〜……って、何その反応!?やめて!こっちまで照れるんだけど!!」
釣られて私の顔も赤くなる
鉢屋「いや……うん。超可愛い。でも簪はこっちのが似合うよ」
そう言って私の髪を解き、慣れた手つきで結い直した
A「わぁ、ほんとだ!!可愛い!!」
頭を動かすと、硝子の飾りがゆらりゆらりと揺れて
夜に溶けたように透けるのがたまらなく可愛い
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林檎(プロフ) - ゆりあさん» ええええありがとうございます!!!!!こっから夏祭り編突入するのできゅんきゅんみ増すと思います!! (2022年6月26日 0時) (レス) id: a1b1016848 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ - もう好きいいいいいいいいいいいいいい!!、 (2022年5月16日 18時) (レス) @page36 id: ec02de9a8d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 林檎さん» コメント返してくださりありがとうございます!! はい!! 土井先生も恋愛要素バリバリ入れてくださいwww逆ハー大好きです!! 更新頑張ってください!! (2022年4月5日 0時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - あいさん» 度々コメントありがとうございます!!嬉しいです!♡やっぱり教職員だし土井先生を逆ハー要員に入れるか迷ってるんですけど、入れた方がいいですかね?返信お待ちしております! (2022年4月5日 0時) (レス) @page26 id: 6d98623e39 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回も良かったです!! 土井先生も襲ってきて、、、、www 今回も面白かったです!! 続き楽しみにしてますね (2022年3月27日 0時) (レス) @page26 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林檎 | 作成日時:2022年3月4日 1時