[忍たま]*.ﾟ忍者の卵とお姫様 2 *.ﾟ[愛され]

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兵庫水軍との遠泳大会が無事に終わり、私にはもとの日常が戻ってきた


教師「えー、それでは教科書の二十六ページを開いて＿＿＿。朗読を、立花」


立花「はい。印明護身法とは5種類の印を結び＿。」


相も変わらず仙蔵の声は響きが良いのだけれど


何となく身が入らずに、窓の外を眺める


あ


雨だ


雨の匂いとはよく言うけれど、それって雨で舞い上がった土埃の匂いなんだったっけ


ポツリ、ポツリと降り出した雨は、次第に勢いを増していく


雨の日は別に嫌いではない


屋根に当たる音も、雨上がりの葉に残る露も何故だか美しく感じられるから。


ああ、でも雨は川の洪水を引き起こしてしまうのか


川は、海に繋がってるから…


舳丸さんが困っちゃうかも


授業と少しでも別のことを考えると、一気に目が微睡み出す


次第に激しくなる雨音がノイズとなって意識をさらい＿。


ついに私は意識を手放した



*.ﾟ


立花「おい」


A「いてっ」


軽く頭を小突かれた私は、驚いてきょろきょろと周囲を見渡す


A「あれ？授業は…」


立花「とっくに終わってもう昼休みだ。小平太でもあるまいし、Aが授業中に寝るだなんて珍しいな」


A「あははは…。何だかねえ…」


あれ以来、気を抜いたら意識はいつも上の空


何かで掻き消したいけれど


掻き消す"何か"は一向に現れない


当たり前の日常は、私には少し刺激が足りないみたいだ



立花「よく分からんが…あまり根詰めるなよ」



A「うん、ありがとう」



駄目だダメだ、しっかりしなくては！

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