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「それはそうと、それ、何かの薬入りだぜ。残念だけど、今回は諦めて上に戻れば？」
「心配してくれるの？ありがとう」
そう言って缶ジュースの中身を飲み干し、リュックサックから取り出したビニール袋にしまうと、キルアはわざとらしくぱちぱちと手を鳴らす。
「ひょっとして、お前も毒とか効かないタイプの人？」
「キミとは事情が違うと思うけどね」
「ちぇっ、口出し損かよ」
「まあまあ。私はキミと知り合えて嬉しいよ。見たところ同年代っぽいし」
私がそう言うと、キルアは「確かにな」と言って右手を差し出した。
「オレはキルア。お前の名前は？」
「咲良だよ。よろしく。わ、握力強いんだ。ちょっと痛いかも」
「そういうお前は普通だね。……猫被ってる？」
「あはは、まさか。私は荒事はお兄ちゃん任せだから」
「へー。お前の兄貴は優しい？」
「うーん……意地悪でウザいけど一応優しい、かな？キルアは兄弟いるの？」
私が存在することで何かズレが起きてないか、確かめておきたい。主人公の家族に何か変化があったらかなり致命的だ。
何も知らない体でそう返したら、キルアは盛大にため息をついてさらっと聞き捨てならないことを言った。
「ああ、いるよ。兄が2人に双子の妹が1組、弟が1人。ウザいやつばっかだ」
「え……本当？キルアっててっきり一人っ子だと思った。甘やかされてそうだし。ねえ、弟とか妹ってやっぱり可愛いものなの？」
「んー、まあまあかな。妹の方が可愛い。アイツら純粋だし」
「へえ、そうなんだー」
表面上は何事もなさげに会話を続けられているが、私は内心思いきり動揺していた。兄2人に弟1人とは、おそらくイルミ、ミルキ、カルトのことだろう。だから必然的に、妹はアルカのことになるが……アルカが双子だったなんて話、私は知らない。ゾルディック家は皆個性豊かな一族だし、中でもアルカの双子なんてキャラ、登場していたら間違いなく覚えているはずだ。今後の展開のために伏せられていたという可能性も無くはないけど、アルカ自身があれだけ強い設定持ちなのにこれ以上なにかあるとは考えにくい。
つまり＿＿＿＿＿キルアの双子の妹のうちの1人は、私と同じく原作には存在しない"イレギュラー"だ。転生者かどうかまでは分からないが、アルカ関連の話はただでさえ危険なのに、そこに目的も能力も不明の不確定因子が絡んでくるなんて恐ろしすぎる。本気で勘弁して欲しい。
続く
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Null(タブレット)(プロフ) - それと、改変もしてますよね？改変報告も忘れずにお願いします。 (2022年5月20日 22時) (
レス) id: 3298584d55 (このIDを非表示/違反報告)
Null(タブレット)(プロフ) - CSSを使用するなら利用規約を守ってください。ボードでも詳しくお伝えしたはずです。 (2022年5月20日 22時) (レス) id: 3298584d55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sei | 作成日時：2022年5月15日 4時
