第78話 俺とあいつの時間 5時間目 ページ42
そのあとは、よく覚えてない。
きっとそのまま家に戻ってきたんだと思う。
でもその後は何もする気が起こらなくて、ぼーっとしてた。
だからびっくりしたんだ。
しばらくして、悠が俺の家に来たのは。
お昼。普通なら学校で授業中。
でも、その日。悠は俺のチャイムを鳴らしていた。
めんどくさい。あんなに仲良かったのに、今では嫌悪しかない。
それでも何故か、前より痩せこけた悠の顔が映された時、俺の指は通話を押していた。
「…何？」
「カルマ、お前に一言謝りたくてな」
「何を？」
「…俺らしくないところ見せて、失望させて…悪かった」
「俺に関係なくない？あんたが何しようと俺は興味ないし」
毒を吐く俺の言葉に、悠はただにこにこと笑っていた。
あの日路地裏で見た悠とは大きく違っていた。
「そうだな…そうかもな。でも、」
「用件はそれだけでしょ？早く帰れば？」
「…ああ、そのつもりだよ。だから、“さいご”のお願いしに来たんだ」
最後？お願い？
俺には関係ない。悠は、死んだ。
「これ、3日後までに燃やしてくれないか？」
「…はっ？」
「もちろん普通に燃やすゴミとかに出していい」
そう言いカメラに映されたのは、茶色い大きな便箋だった。
「じゃあ、これだけ頼むな」
「ゴミを押し付けんなよ。大好きな妹さんに頼めばいいじゃん」
「いや、これはダメなんだ。絶対に。カルマだから頼みたいんだ」
何言ってるのかわかんない。でもそれを真っ直ぐと俺の部屋番号のポストに入れると、悠はまた俺に向き直り、ちょっと歪な笑顔をする。
「じゃあな。カルマ…ありがとう」
ふらつく足取りで帰る悠を見ながら、俺がインターフォンを切る直前、どこか満足気な顔していた。
「何だ、あいつ」
不審に思いながら、俺は直ぐにポストに取りに行かずに、ただ横になって目を瞑った。
まさか、それが最後の悠の姿になるとは思わなかった。
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咲夜 - カルマ君が夢主の兄さんに何をしたのか、過去に何があったのか、ものすごく気になります！続き、楽しみにしています！ (2018年3月16日 22時) (
レス) id: e3044c0ecb (このIDを非表示/違反報告)
Yuka(プロフ) - 春猫さん» 読ませて頂きました！続きが知りたいです！更新待ってまーす☆彡 (2017年8月22日 15時) (レス) id: 72615b8a28 (このIDを非表示/違反報告)
春猫 - カンナさん» コメント、ありがとうございます！こんな小説を読んでいただいてもらい嬉しい限りです！はい、更新頑張ります！ (2016年9月25日 18時) (レス) id: 21ef5d8a4a (このIDを非表示/違反報告)
カンナ - 初めて読みました！けど、すごく面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年9月24日 13時) (レス) id: 433c6a2f80 (このIDを非表示/違反報告)
春猫 - #ブラック☆さん» こちらこそ初めまして！Part1から見てくださってありがとうございます！お、面白いなんて・・・私にはもったいない・・・更新頑張りますので、ぜひ見届けてください！ (2016年8月3日 19時) (レス) id: 21ef5d8a4a (このIDを非表示/違反報告)
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