言葉の矢【暗殺教室】 (ページ10)

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10話ページ10

渚side

「あー、遅ーい」

「どうかしたのか？」

「ご、ごめん。茅野、杉野」

2人とも優しいから

「「いーよいーよ」」

って言って許してくれる。

「本当、大丈夫？」

「え？うん。怪我も無いし」

「前原さん、すごかったなそういえば」

「あんな事言う人だとは思ってなかった。

《勝手にどうぞ、喧嘩してください。》

みたいな人かと思ってた」

「良い人だったよ。さっき話したけど《バイバイ》とか言ってくれたし」

「へえー！明日話しかけてみようかな？」

「俺は茅野が仲良くなってから話しかける」

「ナンパ？」

「ちげーよ！それ前原だろ」

「けどあの2人は双子なんだよね。そうそう、前原君と前原さんが双子だって実感させられる時ない？」

茅野がそう聞いてくる。

・・・うーん。性格は似てない気がする。

タラシじゃないし。

「ある」

え、杉野はあるの？！

「ねー、前原さん睫毛長いし目も二重だしでも、綺麗？って聞かれたら可愛いって感じなんだよねー！羨ましい・・・」

「まあ顔は悪くないよな」

あ、性格じゃないんだ。

「何で顔なの・・・」

僕は呆れた声を出した。

「ただいまー」

あの2人と別れ電車に乗り家に着いた。

家には誰もいない。

「・・・ハァ」

あの時の前原さんの顔が頭から離れない。

考えたら顔が熱くなる。

「いや、でもあの顔はヤバイでしょ・・・。あんなの・・・」

"可愛かった"

だけじゃ言い表せない。

・・・なにこの気持ち。変なの・・・。

「でも、流石カルマ君の元彼女・・・うん。カルマ君が選んだ理由が分かる」

あれ？じゃあ何で別れたんだろ・・・。

さっきから前原さんのことばかり考えている。

そんな自分が恥ずかしくて

「課題しよ・・・」

一生懸命前原さんから考えを外していこうとした。

Aside

『ただいま』

いや、まあ返事は返ってこないけど。

・・・あれ？

私はあることに気がついた。

この時間帯に陽斗がいる・・・。

まだ5時。この時間だったら陽斗は必ずと言って良いほど彼女さんとデートしている。

『ま、たまにはいますか・・・』

電気がついているリビングのドアの前を通る。

きっとテレビでも見ているんだろう。

私は部屋に入る。

机の横に鞄をかけた。

机の上には絆創膏。

しかも2枚。

誰がこれを・・・あ、陽斗？

でも何で？

考えること5分。

さっき対せんせー弾で2箇所を怪我したのを思い出した。

『陽斗・・・ありがとう』

その場で呟いた。