言葉の矢【暗殺教室】 (ページ7)

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7話ページ7

陽斗が部屋に入ってくる。

『な、何？』

「耳だよ耳！すげー！！カッコイイ！！」

10歳。まだ子供で陽斗は変だとか、気持ち悪いとか思わなかったらしい。

普通は格好悪い。特別なのがカッコイイ。

そう思っていた年頃。

純粋にすごいと言っていた。

「お母さんに言ってくる！！おかーさーん！！Aスゲーんだよ！！耳が生えてる！！」

「え？何々(笑)」

急に変なことを言いだしたとお母さんは思ったのだろう。

でも、まだ小学4年生。可愛いことを言っている。面白いと思ったに違いない。

だけど、陽斗の言ったことは本当で_________

「あら～つけ耳？どこでもらったのよ(笑)貸してみて？・・・A？外さないの？え、外れない？！これ、本物？！」

『お母さん・・・』

「なっ何で？！・・・っ寄ってこないで！！！気持ち悪い！！」

___________________え？

『おか・・・あさん？』

「寄ってこないでって言ってるでしょ！！！～っ陽斗！！行くわよ！！」

「お母さん？」

陽斗は何が起こったのか分かっていなかった。

それから、

「A？あなた、リビングに入ってこないでね」

「全く・・・何だその耳は。そんなものを近所に見せてみろ。俺達は居場所がなくなるぞ。母さん、なるべくAを外に出すな」

お父さんもお母さんも私のことを娘だとは思わなくなった。

陽斗だけ、私の味方だった。

「だーいじょーぶだって！！だってかっこいいじゃねーか！！！」

って褒めてくれた。

だけどいつしか

「・・・何？寄ってくんなよA」

大きくなれば、普通が1番と思うようになる。

特別なのが少し痛々しい、恥ずかしいと考えるようになる。

だから、陽斗も両親と同じようになった。

『・・・陽斗？』

「・・・」

話しかけても無視。

目も合わない。

私は友達もいない。愛されてもいない。

そう分かり、死にたくなった。

だけど、死んだら負けのような気がして、死ねなかった。

そして、1つ謎を残したまま現在こうして生きている。

謎、それは陽斗が拒んだもの。

私達は広い部屋を2人で使っていた。

仲よかったから男女が同じ部屋？！とか言われてもピンと来なかった。

で、4年生になってもずっと一緒。

だけどやっぱり耳が生えた後はお母さん達が

「陽斗っ！！部屋、1人部屋にしようか？Aと一緒なんて嫌でしょ？」

と言っていた。

別にどーぞどーぞ、お好きに動いてください。

どうせなら私が動こうか？廊下で寝ようか？