六話 ページ7
..(渚視点)
僕達Ｅ組のＨＲが終了し、烏間さん達が出ていくのを見送った後、超生物についてそれぞれ友人と話し込んでいた。
中には、成功報酬百億円という大金に目が眩んで意気込んでる子もいるが、いきなりの話に戸惑いを隠せないでいる子がほとんど。
僕も動揺している中の一人だと思う。
ずーんっと暗く沈んだ空気の中。
机の上に目線を落としていると、「あれ、渚の兄弟じゃね？」と、つんつんと背中をつつかれた。
小さく首を傾げながらも、窓の外に視線を向ければ、超生物と烏間さんの後に続いて校舎へと向かうAが見えた。
「あ……、うん、Aだ」
僕が頷いた瞬間、女子達が窓の淵に手をついて身を乗り出す。
目をかっぴらいてAを見据える姿を見る限り、品定めでもしているんだろう。
Aは学校行事はおろか、授業にも参加しない。
だけど、文武両道で容姿端麗という事も有り、椚ヶ丘中学校ではちょっとした有名人である。
特に女子の中では浅野君に引き続き、絶大な人気が有って、そのせいか、女子をとっかえひっかえしているというあらぬ噂も立てられる程だけど……。
Aは生物学上、"女"だから所詮、噂話なんだ。
「初めて見たけど……、へぇ、随分と美形じゃん」
「でも、どっちかっていうと女顔じゃない？
私はもっとがっしりした奴が良いかなぁ」
「まぁ、女顔はしょーがなし。渚君の兄弟だし」
「それ、どういう意味！？」
最後の言葉に反射的に突っ込んでしまうが、
女子陣はニヤニヤと面白そうな笑みを浮かべるばかり。
そんな女子達に冷や汗をかいていれば、ショートヘアにウェーブのかかっている女子、倉橋さんがぱんっと手を叩いた。
その顔は、良い事を思いついたとでも言いたげに、きらきらと輝く笑みが浮かんでいる。
僕には嫌な予感しかしないけど……。
「ねぇねぇ、皆でA君の反応見に行こうよ！」
嫌な予感的中。
盗み見は良くないし、Aが嫌がるだろうし、何よりAにばれた時が怖いからと、「止めようよ」と、慌てて止める頃には時既に遅し。
男女問わず、次々に同意の声が上がっていくのだった。
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. - 千々さん» ありがとうございます！ 励みになります😌 (1月22日 8時) (
レス) id: 9fd6ec5536 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - とても面白いです！ 素敵な作品ありがとうございます！ 続きを楽しみにしています！ (1月21日 11時) (レス) @page14 id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：. | 作成日時：2023年12月30日 20時
