十六話 ページ17
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「俺達はＥ組だ。新学校で有名なこの学校のレベルについていけなかった脱落組。通称、"エンドのＥ組"。毎日、山の上の隔離校舎まで通わされて、あらゆる面でカスみたいに差別されてる落ちこぼれの俺達が１００億円稼ぐチャンスなんて、この先、一生回って来ねぇぞ？ 抜け出すんだよ。このくそみてぇな状況から。例え、どんな手を使ってもな」
底意地の悪い笑みを口元に浮かべて、何か丸い物が入った巾着袋を渚に手渡す。
話を聞く限り、先生を暗殺する上で必要なものだと考えれば、大方察しが付く。
「しくじんなよ、渚」
それだけ残して、嫌な笑顔で去っていく三人組を見送った僕は、取り合えず寺坂君から渡されていたものを取り上げようと身を乗り出したが。
遥か遠くの青空から、風を切る様な音と共に、何かが凄い速さで迫った来るのが見えた為、身を引く。
その瞬間、ズドンッという鈍い音がグラウンド上に鳴り響いた。
「ただいま帰りました」
音の正体は言わずもがな超生物である先生。
肩にミサイルの様なものを担いで、渚の後ろに立ちはだかる。
渚は、寺坂君に渡されたものを隠して、少し戸惑った様子で首を傾げた。
「おかえり、先生。どうしたの？ そのミサイル……」
「お土産です。自衛隊に待ち伏せされまして」
「た、大変ですね。ターゲットだと……」
「いえいえ、皆から狙われるのは力を持つ者の証ですから」
その言葉はＥ組相手にあんまり良くないんじゃないか。
案の定、不意に何かを察したように一瞬で笑顔をなくす渚。
そんな渚の真横を通り、「さ、五時間目を始めますよ」と校舎に向かっていく先生は、気付いているのか気付いていないのか、気に留める事は無い。
なのに、校舎に入る直前、屋根の上に居る僕の方を向き、声を掛けようとするもんだから、久しぶりに焦った。
しーっと口元に人差し指を当てて、ジェスチャーしたのが功を奏したのか、何も言わずに校舎に入ってくれた事に安堵しながらも、渚を見据える。
俯き加減に顔に影を落とす渚。
僕よりも濃い水色の目は殺る気に満ち、ピリピリと肌に触れる殺気を隠しきれずにいる。
これじゃあ、寺坂君に言われた通り暗殺する事は確実か……。
『はぁ……』
仕方がないと溜息交じりに呟いて、渚に気付かれない様に反対側の倉庫から降りた。
続く
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. - 千々さん» ありがとうございます！ 励みになります😌 (1月22日 8時) (
レス) id: 9fd6ec5536 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - とても面白いです！ 素敵な作品ありがとうございます！ 続きを楽しみにしています！ (1月21日 11時) (レス) @page14 id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：. | 作成日時：2023年12月30日 20時
