十話 ページ11
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「はい、遅刻無しっと……。素晴らしい！ 先生とても嬉しいです！」
先生が出欠を取り終えると同時に、朝のＨＲの暗殺活動は終了する。
激しい発砲音は鳴り止まり、教室に静寂が訪れた。
そんな静かな空間に流れるのは、銃を下ろした生徒達の疲れたような息遣い。
しかし、超生物は肩を上下させる彼等とは対照的で。
「数に頼る戦術は個々の思考を疎かにする。目線。銃口の向き、指の動き……、一人一人が単純過ぎます。もっと工夫しましょう。でないと、最高速度マッハ２０の先生は殺せませんよ」
と、舐められる始末だ。
そんな先生に生徒は文句たらたら。
その中でも、明るい髪色の男子生徒、前原君が突如こちらに振り向き、蚊帳の外だった僕をびしっと指差してきた。
嫌な予感がする……。
なんて心の中で思っている間にも教室中の人間の目線が集まってくる。
『……、なに？』
突如、変わった矛先に不満と疑問を抱きながらも、小首を傾げて問い掛けてみれば、「なに？ ……じゃねーよ」と、前原君に一喝されてしまった。
見るからに苛立っている様子の彼。
「お前、俺等の中でも一番殺せる確率が高いんだからさ、暗殺活動には参加しろよ」
『なんで？』
即座に疑問を重ねれば、教室中の至る所から溜息が漏れた。
そして、隣からずかずかと偉そうに歩み寄ってきた図体のでかい男子生徒、寺坂君に腕を引っ張られて無理やり立たせられ、更に胸の前に押し付けられるものを見て思わず目を瞬いた。
『……、銃なら僕も持ってるけど……』
「じゃあ、暗殺しろよ。てめぇ、初日からあいつ殺しにかかって、触手何本か奪ったって話じゃねぇか」
俺にも見せてみろよ。
と、挑発的な笑みを浮かべ僕の手に銃を握らせる寺坂君。
先生もじっと此方を見つめるばかりで口を開く様子も無し。
教室中にも僕が暗殺すべきだとでもいう様な良い感じの空気が漂ってしまっている。
僕はそんな中、溜息にも似つかない息を漏らせば、銃口をゆっくりと先生に向けた。
『……、ばーん』
どこか緊迫したような静寂の中。
僕の気怠げな声と共に物体が先生に向け飛んでいく。
その物体は直線的に先生の顔面へ向け飛んで行ったが。
「おっと……、Aさん、銃は投げるものではありませんよ」
それは先生を傷付けることはない。
なぜなら、ぱしっと乾いた音と共に先生がキャッチしたのは銃本体だからだ。
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. - 千々さん» ありがとうございます！ 励みになります😌 (1月22日 8時) (
レス) id: 9fd6ec5536 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - とても面白いです！ 素敵な作品ありがとうございます！ 続きを楽しみにしています！ (1月21日 11時) (レス) @page14 id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：. | 作成日時：2023年12月30日 20時
