一話 ページ2
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渚と共に僕がＥ組宣告されてから数日経ったある日の事。
歴史史上大事件とでも言えるであろう出来事が起こった。
それは、その日突然。
月が爆発して三日月形になってしまった事。
【番組の途中ですが、ここで臨時ニュースです】
【つい先程、月が七割がた蒸発し、失われたとの情報が入りました】
【我々はもう一生、三日月しか見られないという事でしょうか】
数日はそんな情報で報道陣の番組は埋め尽くされていた。
しかし、未だに原因不明であり、"月が七割がた蒸発した"という表面上の事実だけしか放送される事が無い。
政府という大きな組織も動いているらしいが、原因が解明されてない所を見ると、故意的に情報が隠蔽されている……、とも考えられる事が出来る。
まぁ、あくまで僕の憶測でしか無いけど。
「A、もうそろそろ行こっか」
『ん？……あぁ、もう、そんな時間』
ひょこっと扉から顔だけを覗かす双子の兄、渚。
そんな彼を横目に、時計を見ると、始業チャイムの一時間程前を針は指していた。
二年生の頃と比べると随分と早い登校時間だが、三年Ｅ組になった僕達の校舎は山の上にある隔離校舎。
このくらいの時間が妥当だろうと、渚と話を合わせた結果、こうなった。
とはいえ、まだ早起きに慣れない僕の身体は睡眠を欲していて、腰掛けているベッドに倒れ込みたくなる衝動に駆られるが、渚の恐ろしい襲撃に合う為、ここはぐっと我慢。
「ほら、A。ぐだぐだしてないで行くよ」
いつまで経っても腰を上げない僕を見かねて痺れを切らしたらしい。
渚は、遠慮無く、僕の部屋にずかずかと入り込んでくると僕の腕を取り引っ張り始めた。
「昨日もAの二度寝のせいで遅刻しかけたんだから。
今日こそは寝かせないからね」
『今日はちゃんと我慢したよ』
「あれだけ叱ったのにまた寝るつもりだったの！？」
『二度寝する気はあったけど今日は我慢した』
「二度寝する気はあったんじゃんっ！」
『ごめんって……。もう、立つから引っ張らないで。服が伸びるでしょ』
渚と日常茶飯事でもある軽い口喧嘩をしながらも、
ゆるゆる立ち上がれば、先を急かす渚と共に家を後にした。
今日が大きな転機になる事を知らずに――。
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. - 千々さん» ありがとうございます！ 励みになります😌 (1月22日 8時) (
レス) id: 9fd6ec5536 (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - とても面白いです！ 素敵な作品ありがとうございます！ 続きを楽しみにしています！ (1月21日 11時) (レス) @page14 id: 1d9d509371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：. | 作成日時：2023年12月30日 20時
