弟であり、お兄ちゃんーini＆ymmtー ページ18
今日は山本さんの妹の苺花ちゃんと陵太がオフィスにきて2人で撮影部屋で遊んでいる。
最初は2人とも少しだけぎこちなかったけど今は完全にうちとけたらしくきゃいきゃいとはしゃぐ声が盛れている。
ゴンッ
突然そんなくぐもった音が聞こえてきたかと思うと、苺花ちゃんの泣き声が聞こえてきた｡
俺と山本さんは慌てて部屋に駆け込む。
｢大丈夫！？どうした！？｣
｢あ”あ”あ”あ”！！！！！｣
｢だ、大丈夫だからねっ。ほらよしよし。｣
大声で泣いている苺花ちゃんの頭をよしよしと撫でながら抱きしめている陵太はまるでお兄ちゃんみたいで。
苺花ちゃんも泣きながら陵太に抱きついている。
｢苺花、どうした？｣
｢あ、あのっ、苺花ちゃんソファから降りようとして失敗しちゃって頭をテーブルの柱で打っちゃって。｣
山本さんにしっかり事情説明した陵太はまた苺花ちゃんの頭を撫でた。
山本さんに目配せされて俺は保冷剤をタオルに包んで持っていく。
戻ると苺花ちゃんは山本さんの腕の中であやされていた。
｢あ、乾ありがとう。｣
｢いえ。｣
渡した保冷剤をぶつけたところに当てると少しずつ痛みが取れてきたのかようやく落ち着いてきた。
｢苺花ちゃん、ごめんね。痛かったよね。｣
陵太が頭を撫でると苺花ちゃんは首を横に振った。
｢んーん、私こそごめんね。ありがとう、陵太お兄ちゃん。｣
お兄ちゃん、と呼ばれた陵太は照れくさそうに頬を赤くしながら笑う。
幸い軽いたんこぶだけで済んだようで、午後からはまた楽しそうに2人で遊んでいた。
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作者名：辰海恋歌 | 作成日時：2021年10月5日 22時
