熱ーizwー ページ27
多分朝から熱があったんだと思う。
頭がぼんやり痛いような気がするし、身体がだるい気がしていた。
ただ、今日は忙しくて休んでられない。
熱を測ることも無く朝ごはんと一緒に薬を胃に流し込んでテレビ収録に向かった。
薬が効いてきたのか身体のだるさや頭のぼんやりも無くなっていつもの「クイズ王」としての俺を見せられたはずだ。
それから昼ごはんを食べてオフィスに向かう。
薬の効き目が切れてきたのか少しづつだるさや頭痛が戻ってきたが、元気に挨拶をすることで振り払った。
……つもりだったが。
会議中、辛うじて働いている2割の思考で会議を回して意見を述べているが、残りの8割はほとんど思考が止まっていると感じるし、考えられても頭痛いとかキツイとかそんなことだけだ。
問題なく時間通りに会議を終わらせ、ほとんどの人が出ていったところで俺も少し休もうと立ち上がる。
瞬間、視界がぐらりと歪んでどこか他人事のように「あ、やばい。」と感じた。
「ーー!!」
誰かが名前を呼んでいるのを聞きながら、俺は意識を飛ばした。
目が覚めると、見慣れた仮眠室の風景。
まだほんやりとする頭で最後倒れたのだと思い出した。
カチャと僅かな音がして扉が開く。
そちらに目をやると、乾が何かを持っていた。
「あ、伊沢さん起きました?体調は大丈夫ですか?」
「ん、ごめん……今何時?」
「仕事なら全員で分けて引き受けたんで、ゆっくり休んでください。」
「……ありがとう。」
乾が持ってきたのはお粥で、福良さんがそろそろ起きるだろうから持って行ってくれと言われたらしい。
「皆は?」
「仕事をほとんど終えて、あとは俺と福良さんだけです。俺もこの後帰ります。」
「分かった。」
みんなほとんど帰ったってことは、すっかり夜ってことかな。
なんだかんだ話しながらお粥を最後まで食べて薬を飲んで横になった。
目を閉じると、またすぐに意識が沈んだ。
次の日、朝起きると熱はすっかり下がっていた。
しかしその後、昨日居たほとんど全員に怒られてしまったので今後は倒れる前に休もうと決めた。
……倒れる前に、ね。
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辰海恋歌(プロフ) - あっさん» …なんかすみませんwピアノをモチーフにしたお話書いてみますね。(尚、いつ公開するかは不明。) (2021年10月20日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あっ - ←ピアノの音の話かと思っていた人 (2021年10月20日 17時) (レス) @page1 id: bcfd7d0a66 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!!どっちも頑張ります!! (2021年8月16日 0時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 突然コメントすみません。私も学生です!再試も小説も頑張ってください!応援してます! (2021年8月15日 20時) (レス) id: 25390fa415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:辰海恋歌 | 作成日時:2021年5月19日 17時