掠れ声ーsgー ページ16
冬場は、乾燥しがちだ。
だからインフルエンザが流行るし、肌も乾燥しやすい。
それと同時に喉も乾燥しやすい。
それは分かっていたが、ここまで酷いことになるとは思わなかった。
結論から言うと、朝起きた時から声が掠れすぎて自分でも聞き取れない程だった。
心当たりは特にないが、原因は喉が乾燥したせいだと思う。
しかし、体調に問題は無いのでマスクだけして出社する。
「志賀、おはよう。」
「おはようございます。」
いつものようにかけられる声に会釈で返す。
今日は動画撮影のあと反省会と次回の企画会議だっけ。
……あれ、声出ないって結構キツい?
まぁ、ちょっと面倒だけど文字で会話すればいいか。
デスクに座り、メールのチェックなどを済ませていく。
「志賀、そろそろ。」
福良さんに声をかけられ、気持ち大きめに頷いて撮影部屋に入る。
本来ならここで声を出して指示をするのだが、今の状況では出来ないので据え置きのホワイトボードに書きなぐって指示を出す。
「志賀?どうした?」
あ、福良さん。
咄嗟に口にした言葉は掠れ声として吐き出される。
『実は、朝から酷いかすれ声しか出なくて。』
「大丈夫?」
『それ以外は何も問題ないです。』
「そっか。無理はしないでね。」
私がこくん、と頷くと福良さんは可能な限りの指示を出し始めてくれた。
私も指示を出してあっという間に撮影環境が整った。
それから撮影中、撮影後と順調に進んだ。
「志賀、この後の会議いけそう?」
『ホワイトボードになりますけど、いけます。』
「おっけ。じゃあやろっか。」
その後も福良さんに色々とサポートしてもらいながら最後までやり通せた。
「あ、志賀さん。これ、福良さんからです。」
そう言って高松さんに渡されたのは龍角散のど飴の袋。
これは、早く治せってことかな。
『ありがとうございます。』
高松さんにお礼を伝えて、わざわざ言いに行くのもな、と思って福良さんにはLINEで伝えておいた。
福良どういたしまして。今度の企画会議までに新しい企画1つよろしくね。
今度の企画会議は1週間後。
これは面白い企画練らないとな。
志賀頑張ります。
りょうかい!という文字と共に敬礼しているスタンプを送ると、よろしくという文字と共にほのぼのしてるスタンプが帰ってきた。
早速企画を考え始めるついでに口に含んだのど飴は、独特な優しい味がした。
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辰海恋歌(プロフ) - あっさん» …なんかすみませんwピアノをモチーフにしたお話書いてみますね。(尚、いつ公開するかは不明。) (2021年10月20日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あっ - ←ピアノの音の話かと思っていた人 (2021年10月20日 17時) (レス) @page1 id: bcfd7d0a66 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - ゆいさん» ありがとうございます!!どっちも頑張ります!! (2021年8月16日 0時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 突然コメントすみません。私も学生です!再試も小説も頑張ってください!応援してます! (2021年8月15日 20時) (レス) id: 25390fa415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:辰海恋歌 | 作成日時:2021年5月19日 17時