＿＿＿＿ ページ8
｢A。｣
静かに、でも力強く呼ばれた名前。
私はようやく彼と目を合わせた。
彼の目は、澄んでいて、それでいてしっかりとした意志をもつ、綺麗なものだった。
｢気づけなくてごめん。でも、俺はAに隣にいたいし、隣にいるのはAがいい。後ろめたくなったり、不安になったりするなら俺がそれ全部なくすから。｣
ふいにくしゃりと彼の顔が歪む。
｢だから、別れるとか言わないで。｣
私はそんな彼から目を逸らせなくなる。
｢俺もさ、時々不安に思うことがあるんだ。家に帰ったら、Aが居なくなってるんじゃないかって。それまでが幻だったように消えてしまうんじゃないかって。｣
今度は私が驚く番だ。
｢そんなこと、しないよ。突然居なくなったりなんてしないよ。｣
彼の不安が伝わってきて、私の涙は勢いを増して流れ出す。
泣きそうな顔を見られたくないのか、彼は私を抱きしめた。
私は背中に腕を回して、声を上げて泣いた。
私が泣いている間、彼はずっと背中をさすってくれた。
時折、鼻をすする音が聞こえたので、彼もないていたのかもしれない。
そうしてひとしきり泣いたあと、2人でゆっくりと眠った。
私の中の疲れや不安は、次の日には綺麗に無くなっていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
どうも、作者です。
突然ですが、作者は木綿豆腐より弱いメンタルを持っています。
何も言われずに低い評価をされるとただただメンタルがボロボロになります。
たった一言でもいいです。なんなら｢面白くなかった｣だけでもいいんです。
そしたら、より面白くなるように、より刺激的になるように、頑張りますので。
だからどうか、無言で低い評価をするのをやめて欲しいです。
弱々メンタル作者からのお願いでした。
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辰海恋歌(プロフ) - あすさん» 早速読んでいただきありがとうございます。この後どうなるかも一応考えてはいますが、次回の短編集のテーマとは少し合わないと思うのですぐに公開、という訳ではありませんが、必ずあす様の目に留まる形に致しますのでしばらくお待ちください。よろしくお願いします。 (2021年11月5日 0時) (
レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 辰海恋歌さん» 早速続き拝見しました！fkrさんが詰め寄る感じいいですね！続編？半年後fkrさんとどうなっているのか気になります！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» こんばんは！そういって頂けてとても嬉しいです！最後まで気に入って頂けますと幸いです。 (2021年11月4日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - こんばんは！結ばれる悲劇、終わらない悲劇を読んで切なくもありますがとても気に入りました！続きが気になります… (2021年11月3日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» いえいえ！気に入っていただけて良かったです！！ (2021年7月17日 23時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：辰海恋歌 | 作成日時：2021年5月19日 16時
