退屈な日々に【9K】

＿＿＿＿＆あとがき的なもの ページ50

｢本当にごめん。｣


深々と頭を下げると、Aが気まずそうに身じろぐ音が聞こえた。


｢別に、もういいよ。｣

｢よくない。っ俺、本当にAのことが好きなんだ。今はまだ信じられなくても、嫌いでもいい。でも、俺がAを好きだってことは覚えておいて欲しい。｣


ネオンの光を取り込んでキラキラしているAの目は、景色ではなく俺の事を捉えていた。


｢……もう、いいって言ったじゃん。例え拳が私の事好きだったとしても、私はあの家を出ていくし拳との婚約もなしだよ。｣

｢婚約は破棄してくれていいよ。｣

｢えっ？｣


もう、物心つく前の親の決めた婚約なんていい。

拗れてしまったなら、また1から始めよう。


｢だから、俺と結婚を前提に付き合ってくれませんか？｣


婚約者がダメなら、恋人から。

言葉の関係は少し離れてしまうかもしれないけど、それは時間をかけて近づいていけばいい。

Aは驚いた様子で手を口元を隠している。


｢っ……今はまだ、無理。｣


大丈夫。すぐにYesなんて言ってもらえるとは思ってない。


｢じゃあ、いつまで待ったらいい？｣

｢……私が、あの家を出るまで。｣

｢分かった。待ってるね。｣


半年あれば、落とすのには十分だ。

楽しみにしててよ、A。










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ここでお話がいっぱいになりましたので、退屈な日々には終わりとなります。
如何でしたでしょうか？
少しでも皆様の日々の刺激となれば幸いです。

この短編集のテーマは｢心臓に悪いドキドキ｣でした。
だから別れ話だったり、嫉妬系だったり、バッドエンドの話を多めにしました。

一応続編(？)となる次の短編集は別のテーマを設けますので、そちらも読んでいただければ幸いです。

追伸
最後の｢始まる幸劇｣の｢幸劇｣は｢こうげき｣と読みます。
アタックするって、直訳すると攻撃する、ですよね。はい。そういうことです。


【お知らせ】
続編できました！！今度は癒しです！！
よろしくお願いします！！

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