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川上さんの発言にビックリする。
｢何かあった時、1人より2人の方がいいから｡俺じゃ頼りないかもしれんけど。｣
｢いやっ、そんな事ないよ！ごめん、ありがとう。｣
｢A。｣
｢何？｣
伊沢くんの目線に絡め取られる。
｢たまには、本当のAを見せて。いつかでいいからさ。｣
｢え、あ……うん。｣
伊沢くんは｢じゃあお疲れっしたー。｣と言って出ていってしまった。
オフィスに川上さんと2人きり。
｢……じゃ、寝る準備するか。｣
｢……うん。｣
それぞれでサッとシャワーを浴びて、置きっぱなしの着替えに着替える。
布団を敷いて、なんとなく川上さんと向かい合う。
｢……明日から、より大変になると思う。だから今夜くらい、俺が胸を貸すよ。まぁ、俺でよければ、やけど。｣
川上さんの言葉に、緊張の糸が解けていく。
｢手を、貸してもらえる？｣
｢お？おう。｣
差し出された川上さんの手を両手でぎゅっと握る。
温かく、男性の力。
不思議と、恐怖感はない。
｢川上さん、どうしよう……河村さんが、記憶なくしちゃったらどうしよう……私のせいで、河村さんが……うぅぁ……!!｣
溢れ出す涙が止まらない。
そっと、川上さんに両手を包まれる。
｢大丈夫やって。それに、もしもの時は俺たちが思い出させてやればええやろ？｣
｢……でも、私が思い出したきっかけは、一斗だった。嫌な思い出がきっかけだった。思い出してこんなことになるなら、いっそのこと思い出さない方が｢A！｣｣
｢っ！！｣
｢……A、それ以上はダメ。それは俺たちも悲しい。きっかけはなんであれ、俺は思い出してくれて嬉しいよ。それは分かって。な？｣
｢うん……。｣
｢Aは、本当に思い出したくなかった？｣
私はゆっくり、首を横に振る。
大学生になってからの大切な思い出たち。
思い出したくなかったなんて、思わない。
｢俺、Aのことちゃんとは分かってないし、多分見てる部分もほんの一部なんやろうね。でも、Aのことは大事やし、大好きやで。｣
｢ありがとう……私もだよ。ありがとう……。｣
私だって、みんなのこと、ちゃんとは知れてないし、見れてるのはほんの一部。
でも、大切で大好きなことに変わりはない。
｢川上さん、このまま寝てもいい？｣
｢別にええよ。｣
川上さんと手を繋いだまま横になる。
手から伝わる体温に安心しつつ、ゆっくりと意識を沈めていった。
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辰海恋歌(プロフ) - 朱夜さん» こんにちは。どちらも読んでいただけて嬉しいです。応援ありがとうございます。これからも楽しんでいただけますよう、尽力していきます。 (2021年5月22日 16時) (
レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
朱夜(プロフ) - こんばんは。 アフターストーリーと新作読みました。 どれも違った感じで楽しいです。 此れからも頑張ってください。 応援してます。 (2021年5月21日 23時) (レス) id: 34fb2aaacb (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - 朱夜さん» コメントありがとうございます！書きます！書かせていただきます！！新作もお待ちください！！ (2021年5月18日 22時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
朱夜(プロフ) - こんにちは。 更新の度に楽しみにしてました。 もしアフターストーリーがあるのでしたら読みたいです。 新作も楽しみにしてます。 (2021年5月18日 12時) (レス) id: 34fb2aaacb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：辰海恋歌 | 作成日時：2021年4月28日 18時
