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「こいつ、怪我してたの隠しとってん！」
「Aちゃん、練習するの止めようとしてくれたんやろ！？」
「ほんまコネシマは……。俺らをもっと信用せんかいボケ」
一瞬にして辺りを埋め尽くした声々に、開いた口も塞がらない。その騒ぎに教室中が此方に好奇の目を向ける。
「サポーターしてんの見て、問い詰めたらこれよ。お前誰かに止められんかったんか、って聞けばコイツ、マネに……って濁すし」
一際大きな溜息をついたキーパーの先輩が言う。空色の瞳は諦めたようにそっぽを向いていた。これで良かったのだろうかとふと疑念を持つが、身体が資本だ、良いと自分に言い聞かせる。
「まあでもAちゃんも言いづらい気持ちは分かるんやけど、これからはそういう時直ぐ言ってな」
「どうせシッマが止めてたんやろうけど」
「……って事で、責任持って暫くは居残りせんと、コネシマと一緒に帰って監視してや。余計な練習とかせんように」
ニヤニヤと唇に弧を描く先輩方に頼むな！と念を押され、つい首を縦に振ってしまった。慌ててなんで、と紡いだ言葉は予鈴によってかき消される。次移動やん、と誰かが焦ったように溢した。ばたばたと忙しない足音が廊下に響く。次々と先輩達は階段を駆け下りて行った。
「A」
最後に残ったのは、この件の中心人物で。がしがしと面倒そうに右手で金髪を揺らし、半身を向ける。
「……あー、なんかよう分からん事なったけど、これからもよろしく」
直ぐに背中は階段に消えた。ふと廊下に掛けてある時計を眺める。
「……っやば、」
残り三十秒、駆け込んだ教室。黒板横の時間割表を見れば、次は現代文の授業だった。これなら多少遅れても大丈夫だったなと小さく息を吐くと、丁度隣の席になったまいちゃんに声をかけられる。
「Aちゃん、次の小テスト余裕すぎない？流石」
「え、待って……。そんなのあったっけ？」
「これ。追試あるって」
ひらひらとA4サイズの紙を揺らす。所狭しと書かれている黒い文字。辺りの皆は、同じように紙を覗き込み最後の足掻きをしていた。
当然の如く追試決定になった私に、彼女が呆れたようにキットカットをくれたのはまた別の話だ。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…好き… (2021年4月2日 8時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 『夢小説』やなくて『小説』読んでるみたいな感じになるし、ストーリーは面白いし、作者さんええ人やし…この小説の大ファンになりました（単純） (2019年10月30日 15時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
aaaa(プロフ) - もうなんか今のこのもどかしさが喉の奥に詰まって泣きそうなくらいにこの作品好きです。応援してます。 (2019年8月7日 0時) (レス) id: 6511620324 (このIDを非表示/違反報告)
Souha - ｷｬｰknサンｲｹﾒｰﾝ((( 内容と作者様の書き方が好きです。！もう…なんかやばすぎました。 あと、更新頑張って下さい！もうこれは全裸待機ですね！！ (2019年7月18日 21時) (レス) id: 60f9fe5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
usikosan(プロフ) - しゅきやわ (2019年6月8日 14時) (レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
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