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「シッマ、入んでー」
いつもの口調でコネシマの部屋を訪れたのは鬱先生だった。彼が見たのはソファで何もせずにただじっと座っているコネシマ。
「お前、どうしたん？」
「ん？いや、なんもないで」
鬱先生の言葉にコネシマは答える。どこかいつもと違う様子の彼に鬱先生は何かを察する。そして先程の光景を頭に浮かべる。廊下を涙目で走っていったAの事だ。
「Aちゃんとなんかあったん」
名前を出せば、一瞬だが彼の手に力が込められたのが分かった鬱先生は考える。
Aちゃん、直接聞いたんやろなぁ。
そんな事を頭に思っている鬱先生を横目に、コネシマがぼそりと呟いた。
「……大先生、俺、冷たいんかな」
酷く弱々しい声に鬱先生は押し黙る。コネシマはその返事を待たずに静寂に言葉を紡いだ。
「……またアイツみたいに、」
「……お前がやっとる事はただのエゴやで」
咥えた煙草に火を付けながら話す鬱先生。ふぅと口から吐かれた煙はふわふわと部屋の上部に消えていく。コネシマとは違った香りが部屋を満たす。
「……いつまでも過去のトラウマに縛られとるんちゃうぞ」
そう言って鬱先生は雑に扉を閉めて部屋を出た。そして向かったところはAの所だった。
_____
先程Aが涙目で走っていったのは中庭の方だったな、と考えながら足早にそちらへ向かう。
「Aちゃん」
声をかければ肩を震わせて此方を向いた。目は赤くいつもより濡れている。辺りは暗いが廊下から漏れた光が彼女を照らし綺麗だなと思うくらいには、自分は彼女に不純な思いを持っていたのかもしれない。
「……大先生、やっぱりダメだったみたいです」
はは、と悲しく笑う彼女。そんな彼女を見るのは辛いし、なんと言ったって親友のアイツのことだ、黙って見ていられる筈もなかった。
「Aちゃんは知らんよな、アイツのトラウマの話」
Aは隠さず頭に疑問符を浮かべる。当たり前だ、あの話は恐らく俺ぐらいしか知らないだろう。勝手に話しても良いものかと思うが、このままでは何の解決にもならない──そう結論付け、俺は意を決して口を開いた。
「……アイツな、昔、好きな奴がおってん」
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あん(プロフ) - 不如帰さん» ありがとうございます！某歌劇団、大好きでございます。その作品に、衣装など結構特に影響受けております…！引き続きよろしくお願い致します。 (2019年8月15日 23時) (
レス) id: eef50a65da (このIDを非表示/違反報告)
不如帰(プロフ) - 初コメ失礼いたします、とても素敵なお話に思わず引き込まれてしまいました…！！某歌劇団の中にこんな雰囲気の劇があって、もしやご存知！？なんて思いながら世界観に浸らせていただいております。2と3の公開も楽しみにしています、乱文失礼いたしました。 (2019年8月15日 23時) (レス) id: 0ebc123a21 (このIDを非表示/違反報告)
理香(プロフ) - 初コメ失礼します、別作品の方も愛読してます、そこでこちらの作品が読みたくなりきました。また�供↓靴諒�が近日公開と聞いてとても楽しみです！前に最後まで読みましたが、また読めるのが嬉しいです！公開待ってます。長文、乱文失礼しました。 (2019年8月15日 19時) (レス) id: 1bf6bc5ed8 (このIDを非表示/違反報告)
桜狼■坂田家(プロフ) - あんさん» 了解です！公開されるまでお待ちしてます。頑張ってください！ (2019年8月15日 17時) (レス) id: 4178eea38c (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - 桜狼■坂田家さん» すみません、2と3はまだ編集途中で、意図的に鍵をかけています。近日中には公開致しますので今暫くお待ち頂けると幸いです。 (2019年8月15日 17時) (レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
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