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「お、久しぶりやん！A」
久しぶりに訪れた彼の部屋は、相変わらず豪華で気が引けたが、変わらぬ笑顔で少しだけ肩の荷が降りる。
このロボロという男は、昔からの歴史ある家の生まれ。そして彼の家は孤児院の支援も行っており、創始した時からずっと困ったときは助けてくれている。頭が上がらない存在だ。
「今日も支援の話か？……実はな、盗賊の件もあって暫くはできそうにないんよ、すまんなぁ」
申し訳なさそうに眉尻を下げるロボロ。だが、今日話をしたかったことはその事ではない。
「今日は久しぶりに舞、教えてくれませんか」
ちなみにロボロの方が少し年上であるのだが、ずっと「タメでええ」と言われ続けたのと元からの癖で混ざってしまっている。それも許容してくれる優しい兄のような人だ。
舞の話を口にすると、今までの表情がガラッと変わり花が咲いたような笑顔になった。
「もちろんええで。Aからそう言ってくれるの嬉しいわ」
ごそごそと準備を始めた彼を手伝う。この「舞」というのは、昔からロボロに習っている芸能である。ロボロは、古くからある伝統芸能の家柄。どこかで聞いた話だと、遠い東の国の「歌舞伎」をこの国に合うように始めたのがロボロの御先祖様らしい。ちなみにロボロは女形だそうだ。通りで言葉や行動の端々から気品が溢れる訳だ。
教えてもらっている舞というのは、ロボロ家の伝統芸能とは少し異なる。これは王族や王直属部隊、ミフターフの酒の席で踊るものだ。
どうやら自分は昔から舞のセンスがあるようで、嬉しい事にロボロに一目置かれている。舞を踊っている間は余計なことを考えなくて済むし、何より楽しい。だから度々ここへやってきては、彼に教えを乞うのだ。
三十分ほど踊ったところで、休憩を挟む。彼が出してくれたアイスハーブティーが、一瞬で喉を潤してくれた。
「いやぁやっぱりAはセンスあるわ。すごい綺麗やで」
にこっとした笑みでそう褒められると嫌な気はしない。これもロボロのおかげ、と口にすれば、せやろ！なんて彼はおどけてみせる。
素敵な微笑みに目を奪われる。
そのふんわりとした笑顔にどこか安心した私は、つい隠していたはずの不安を表象してしまっていた。
「あのさ、ロボロ。私にできることで、日毎にお金が貰える仕事って無いのかな」
日毎にお金があれば、支援に頼らなくてもある程度は生活していける。藁にもすがる思いで、私は顔を上げた。
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あん(プロフ) - 不如帰さん» ありがとうございます！某歌劇団、大好きでございます。その作品に、衣装など結構特に影響受けております…！引き続きよろしくお願い致します。 (2019年8月15日 23時) (
レス) id: eef50a65da (このIDを非表示/違反報告)
不如帰(プロフ) - 初コメ失礼いたします、とても素敵なお話に思わず引き込まれてしまいました…！！某歌劇団の中にこんな雰囲気の劇があって、もしやご存知！？なんて思いながら世界観に浸らせていただいております。2と3の公開も楽しみにしています、乱文失礼いたしました。 (2019年8月15日 23時) (レス) id: 0ebc123a21 (このIDを非表示/違反報告)
理香(プロフ) - 初コメ失礼します、別作品の方も愛読してます、そこでこちらの作品が読みたくなりきました。また�供↓靴諒�が近日公開と聞いてとても楽しみです！前に最後まで読みましたが、また読めるのが嬉しいです！公開待ってます。長文、乱文失礼しました。 (2019年8月15日 19時) (レス) id: 1bf6bc5ed8 (このIDを非表示/違反報告)
桜狼■坂田家(プロフ) - あんさん» 了解です！公開されるまでお待ちしてます。頑張ってください！ (2019年8月15日 17時) (レス) id: 4178eea38c (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - 桜狼■坂田家さん» すみません、2と3はまだ編集途中で、意図的に鍵をかけています。近日中には公開致しますので今暫くお待ち頂けると幸いです。 (2019年8月15日 17時) (レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
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