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太陽が最も高く昇る時間。すいた小腹を満たそうと共用キッチンへ向かえば、鮮やかな頭髪が真っ先に飛び込んできた。どうやら先客がいたようだ。扉の閉まる音に気付くと、その人物はゆっくりと顔を上げる。そして空色の眼差しで此方を射抜くのだ。少しだけ驚いたような顔をして、食べていたらしいハンバーガーをテーブルにそっと置いた。ソファの背中に長い腕を回し、首から下げられてた銀色のチェーンがゆらり揺れた。そこには”A/0”と刻まれている。
「お、ちょうどええやん」
「えっと、……コネシマさん。もう起きたんですね」
「そうやねん。A、色々してくれたらしいやん。大先生から聞いたんだけど」
「そんな、大したことはしてないです。……うなされてるように見えたので」
「あー……。確かに、悪い夢は見てたかもしれへんな」
記憶を辿るように眉間にしわを寄せたコネシマさん。その表情は決して明るくない。けれど再度此方を一瞥すると、唇の片側を吊り上げて強引に笑顔を浮かべる。
「けどな、目覚めがあんなに良かったのは今日が初めてやねん。多分、Aのお陰やろ。いや、まあ、ちゃうかったとしても俺はそう思うことにしてん。改めて、俺はコネシマ。よろしく」
「そうですか……。A、です。よろしくお願いします」
どこかから吹き込んだ隙間風がさらりと前髪を揺らした。一瞬の静寂、そして笑い声。からからと転がるような笑みが響いて、広がる。改まって挨拶をするというのもなんだか気恥ずかしく、思わずスカートのしわを引っ張っては伸ばした。とはいえ彼は命の恩人だ。あの夜の思い返して頭を下げれば、彼は目を見開いて、不思議そうな顔をする。
「ああ、あれはまあ、偶然やで。たまたま近くにいたからね、うん。無事で良かったわ」
「……でも、
「……見てたんか。ま、おまえが気にすることじゃないやろ」
コネシマさんはハンバーガーを手にして立ち上がる。自分よりも幾らか高くにある視線。此処にいる人達の中では、がたいが良い部類に入るだろうか。がっしりとした肩幅、ラフに纏われたTシャツの隙間から覗く腕には、筋肉が見てとれる。足音を鳴らして近付いてくる。同時に、ハンバーガーのチーズの匂いが強く香った。美しい空色がすぐそこまで迫っていた。
「喋ってみたい思っててん、前からな」
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あん(プロフ) - Alexさん» コメントありがとうございます。引き続き楽しんでいただけたらと思います。 (2020年6月29日 9時) (
レス) id: 8ef2d7e6a5 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - とても面白かったです！！更新引き続きお待ちしております！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 68d9b196e6 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - かわっちかわっちさん» コメントありがとうございます。今後も引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです。 (2020年6月26日 6時) (レス) id: 8ef2d7e6a5 (このIDを非表示/違反報告)
かわっちかわっち(プロフ) - 初コメ失礼します！お気に入りさせていただきました。投稿無理せず頑張って下さい！ (2020年6月24日 20時) (レス) id: d677453767 (このIDを非表示/違反報告)
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