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刹那、どくんと波打つ心臓。力が湧いてくる感覚。まだ、戦える。コネシマは大剣を肩に担ぎ直し、仲間の元へと走っていった。
＊＊＊
「あかん、あいつまたやったな」
「コネシマさんですか？……ああ、間違いなくやってますね。セレブレの
「シッマの場合、セレブレで活動時間引き伸ばしとるようなもんやからな。後にどんな影響出るのか、知らんで、俺は」
「そこら辺はロボロさんと話してるはずですけど……。セレブレ多く渡す代わりに、コネシマさんがロボロさんの実験に協力するって」
「なんも影響ないことを祈るけど」
作戦は驚くほど順調に進んでいる。倉庫内の敵勢力は殆ど一掃され、血の海となっているのが画面越しにトントンとエーミールにも伝わっていた。あとはゾムの報告を待つだけである。
一方ゾムは、元の主人の元へ行く手を阻まれていた。それはゾムと同じくタグを首にぶら下げ、ハンマーを振り回す巨大な男だ。刻まれた数字は”Ａ/３”とゾムに比べればランクは下がるものの、全身に纏った鉄の装甲がゾムのククリナイフを弾き返す。
「これめんどいなぁ」
「舌噛むぜ、”裏切り者”がよォ！」
ハンマーを固い地面を叩きつけ、咄嗟にゾムは背後に飛んだ。ゾムがいた場所は見る影もなく砕け散り、ぱらぱらと床材が舞い上がる。にやりと口元に怪しげな笑みを浮かべた男は、再度ハンマーの柄を握り直し、好戦的な視線を投げた。二人分の息遣いと地面を蹴る音が狭い廊下に響く。一進一退の攻防だったが、やはり潜在的な能力はゾムの方が上だった。繰り出される打撃を躱し、地面にめり込んだハンマーの上をゾムは蹴った。そして瞬きよりも速く、ククリナイフを驚きで染まる目元に突き刺した。殺す必要はない。時間の無駄だ。唸るような呻き声を背に、ゾムは先を急いだ。
「今更敵討ちか？笑えるな」
上質そうな鉄扉を蹴飛ばすと、ゾムの目当ての人物が優雅に紫煙を燻らせていた。人を見下したような視線は相変わらず顕在で、ゾムは小さく舌を打つ。そして早く仕事を終わらせるかと、ククリナイフに付着した血を払った。
「仇討ち？いやぁ、別に。主人の意向やからな」
「……所詮裏切り者は裏切り者か」
「どうでもええけど、俺は今が全てやし」
刃を向けるのに躊躇はなかった。だがかつての主人の呼吸が止まったのを確認したあと、ゾムは暫くその亡骸を見つめていた。少なからず恩はあったのかもしれない。しかしもうそれは過去の話だ。
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あん(プロフ) - Alexさん» コメントありがとうございます。引き続き楽しんでいただけたらと思います。 (2020年6月29日 9時) (
レス) id: 8ef2d7e6a5 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - とても面白かったです！！更新引き続きお待ちしております！ (2020年6月28日 17時) (レス) id: 68d9b196e6 (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - かわっちかわっちさん» コメントありがとうございます。今後も引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです。 (2020年6月26日 6時) (レス) id: 8ef2d7e6a5 (このIDを非表示/違反報告)
かわっちかわっち(プロフ) - 初コメ失礼します！お気に入りさせていただきました。投稿無理せず頑張って下さい！ (2020年6月24日 20時) (レス) id: d677453767 (このIDを非表示/違反報告)
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