『宗教？』 ページ49
やれやれと言うように頭を振りながら、坂口さんがこう言った。
坂「僕はこういう、爆弾とか危機一髪の脱出とかいう柄じゃないんです。
でもミミックの対応は矢のように素早かった。
おかげで身を守る行動を取る暇が全くありませんでした。
ああ、目の裏に七色の星が見える。何です、これ？」
織「俺は見慣れてる」←
『慣れちゃ駄目ですよこれ』
坂「早く報告をしなくては」
坂口さんが立ち上がる。
坂「ミミックの長は危険な男です。
冷徹で、統率力があり、闘争を求めている。
マフィアを完全に潰す気です。
部下は彼の為なら、自分の喉だって掻.き切ります。実際にそうするのを見た」
『宗教？』←
坂「似てますね」
織「その長の名前は？」
坂「アンドレ・ジイド。
彼自身が強力な異能者です。奴と戦ってはいけません。
織田作さん、貴方は特に。
…僕の部屋で金庫の中の拳銃を見付けたのは織田作さんですよね？」
織「そうだ」
坂「あの銃は符牒です。撃鉄に特別な彫り込みがしてあって、それがミミックの一員であることを証明します。
僕もあの銃を貰い受けるのに一年かかりました。
…もはやミミックとマフィアの衝突は避けられません。あの連中は戦うことしか頭にない。
さらに云えば、��相手は誰だっていい��んです。
自分たちを戦場に連れていってくれるなら、地獄の番犬とだってジルバを踊る。
一刻も早く対処しないと街が…＿＿
坂口さんのこめかみあたりの皮膚が切れ、そこから血が一筋垂れていた。
織田作がハンカチを私に向ける。
異能でハンカチを水で濡らし、それを坂口さんの傷口にあてた。
織「ミミックというのは何者なんだ」
坂「軍隊ですよ。…すでに予想はされているかもしれませんが。
彼らは旧大戦の敗残兵です。戦場以外では生きていけない、主なき��
彼らは今でも戦争に取り憑かれて…」
ふと坂口さんが、道路の方を見て言った。
坂「あれは何です？」
坂口さんの視線を追う。
下り坂の砂利道に、青い手毬が転がってきた。
転がってきたそれに、ふと既視感を覚えた。
織田作の足元に転がっていったそれを、織田作より先に拾い上げる。
古びているが、美しい幾何学模様が目を引く。
何故既視感を覚えたのだろう、と手の中で転がしながら見ていると、
『＿＿ッ？！』
ぐらり、と視界が傾いた。
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炎帝閣下& 狼陛下の花嫁 - 最初から読まして頂いています とても面白いです いよいよ黒の時代への突入ですね これが終わると夢主ちゃんは元の世界の元の時間(トリップした時の)に戻ってくるのでしょうか 続き楽しみにしています 更新頑張って下さい (2018年5月10日 20時) (
レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)
双黒の片割れ - 何時も楽しく読ませて頂いてます!一作目が消えてしまったのはとても残念ですが、応援しています!体調にお気をつけて頑張って下さい! (2018年5月4日 21時) (レス) id: 01d6929d60 (このIDを非表示/違反報告)
chikaze(プロフ) - 初コメ失礼します。この小説大好きで、初めのやつから読んでました！もうすぐ終わると思うと淋しいですね…。現代でも書いて欲s殴 これからも更新頑張って下さいね！ (2018年3月12日 21時) (レス) id: 16cd7bec21 (このIDを非表示/違反報告)
初音アン(プロフ) - 漆黒の天使 鬼気さん» ネタバレになるので死ぬかまでは言えませんが、誰か死ぬのは確かです。…大丈夫ですよ、ほら、織田作が死ぬとは言ってませんよ！← (2018年3月12日 0時) (レス) id: 4dae88a644 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の天使 鬼気 - あの、織田作は、死んでしまうのですか?いや、この小説は大好きなので読みにはくるのですが、そうだったら悲しいなぁ……って。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: 354c62b094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：初音アン | 作者ホームページ：http://twitter.com/hakureiaria5
作成日時：2018年1月29日 23時
