織「………勿論です」 ページ29
森「流石に冷静だね。
ここで狼狽えるようなら捜索係には不向きかとも思ったが…佳いだろう、説明を続けるよ。
安吾君が消息を絶ったのは昨日の夜。自宅には戻っていないようだ。
自ら姿を消したのか、或いは何者かに拐かされたのかは、未だ判っていない」
じゃあ昨日別れてその後で居なくなったのか。
…やべぇ、まともに【黒の時代】読んでないせいであんまり覚えてないな。
森「知っての通り、安吾君はマフィアの情報員だ。
彼の頭の中には、マフィアに関する極上の秘密がぎっしり詰まっている。マフィアの裏帳簿の管理方法、マフィアに上納している企業と役人の
他の組織に売れば一財産だし、組織のアキレス腱を残らずぶつぶつに切ってから我々に火をつけることも出来る。
それが無かったとしても、安吾君は優秀で大事な私の部下だ。何かあったならば助けたい。
私の気持が判るだろう?」
流石にそれは分からない。
人の上に立ったことなんて無いし、立とうとも思わないからなぁ。
首領の気持ちを察するのは無理だわ。
織「………勿論です」
森「君達はこの手の厄介事を専門にするそうだね。
撃ったり殴ったり脅.したりばかりが得手なマフィアの中で、君達のような人間は大変貴重だ。期待しているよ」
話しながら羽根ペンを弄んでいた首領が、机の引き出しから高そうな紙を取り出した。
そして羽根ペンで流れるように文字を書き込んだ。
【織田作之助 小鳥遊まつり
右の者
破竹の如くせしむる也
容喙なく即ち扶くる可
鷗外】
……何書いてんのこれ。←
森「これを見せれば、組織内では何かと便宜が図られるだろう。持っていくといい」
はい、と笑顔で渡されるそれ。
何だっけ、確か《銀の託宣》だっけか。
これ見せたら大体のマフィアの人が言うこと聞くんだよね。
森「それがあれば幹部でも使える。
ああ、そう云えば、君達は幹部の太宰君と個人的な友人なのだったね。立場を超えた友情と云う訳だ。
彼は優秀な男だから、困ったら頼るといい」
織「その心算はありません」
森「そうかね?歴代最年少幹部の肩書きは伊達や酔狂では手に入らない。
組織の同僚からは異端児扱いだが、私は太宰君の実力は飛び抜けていると思う。
あと四、五年もすれば、私を殺.して首領の椅子に座っているだろうね」
あ、それは分かるな。←
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炎帝閣下& 狼陛下の花嫁 - 最初から読まして頂いています とても面白いです いよいよ黒の時代への突入ですね これが終わると夢主ちゃんは元の世界の元の時間(トリップした時の)に戻ってくるのでしょうか 続き楽しみにしています 更新頑張って下さい (2018年5月10日 20時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)
双黒の片割れ - 何時も楽しく読ませて頂いてます!一作目が消えてしまったのはとても残念ですが、応援しています!体調にお気をつけて頑張って下さい! (2018年5月4日 21時) (レス) id: 01d6929d60 (このIDを非表示/違反報告)
chikaze(プロフ) - 初コメ失礼します。この小説大好きで、初めのやつから読んでました!もうすぐ終わると思うと淋しいですね…。現代でも書いて欲s殴 これからも更新頑張って下さいね! (2018年3月12日 21時) (レス) id: 16cd7bec21 (このIDを非表示/違反報告)
初音アン(プロフ) - 漆黒の天使 鬼気さん» ネタバレになるので死ぬかまでは言えませんが、誰か死ぬのは確かです。…大丈夫ですよ、ほら、織田作が死ぬとは言ってませんよ!← (2018年3月12日 0時) (レス) id: 4dae88a644 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の天使 鬼気 - あの、織田作は、死んでしまうのですか?いや、この小説は大好きなので読みにはくるのですが、そうだったら悲しいなぁ……って。 (2018年3月12日 0時) (レス) id: 354c62b094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:初音アン | 作者ホームページ:http://twitter.com/hakureiaria5
作成日時:2018年1月29日 23時