『私、ちゃんと鬼殺隊になれますか!』 ページ29
「わ、悪りぃなァ…。
オメェのおやっさんとは、色々と面倒みてもらっちまってたんだよ」
ずびずびと鼻を鳴らす巻波さん。
…そっか、この人。父さんに助けてもらった人なのか。
『…あの、巻波、さん』
「おうよォ、なんだ?」
『私、なれますか?父さんみたいな立派な剣士!なれますか!?』
聞いても、意味はないかもしれない。
それでも、聞かずにはいられなかった。
父さんのこと知ってる人に、初めて会った。きっと鍛冶屋であるこの人は、父さんが戦っているところを幾度も見たことがあるんだろう。
初対面の人だけど、特になにかあるわけじゃないけど、それでも、聞きたい。
『私、ちゃんと鬼殺隊になれますか!』
そう聞くと、横からと正面から、二つの手から頭を撫でられた。
一個はごつごつした、優しい大きな手。剣だこが幾つもでき、潰れてできた大きな手。
もう一個はこっちも大きいんだけど、あったかい手。
いくつもの命を守る刀を作った、凄い手。
その二つが、私の頭を撫でた。
「…おうさァ。
あの鑢七花の娘のお前なら、きっとなれるさ。
…すっげえ、剣士になれらぁ」
宇「ばーか。この天元様の娘だぜ?
最高にド派手な剣士になれるに決まってンだろ。
馬鹿なこと言ってんじゃあねーよ」
優しく、荒々しく撫でる二つの手。
…ああ、ここに父さんも居てくれたらな。なんて。
『………はいっ』
その後、巻波さんは帰った。
父さんの色々な話をして。
いや、我が父親ながら凄かった。
まさか鬼の頭無言で割ってたなんて思わなかった。←
宇「お前の、おやっさん。随分派手に暴れてたんだな」
『…ね、自分でもびっくりですよ』
宇「…頑張れるか?」
『頑張れるかじゃなくて、頑張れよ、でしょ』
宇「…っは、そうだな!頑張れよ、娘!」
『頑張りますよ、親父さま!』
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ばなな味すむーじー - とっても面白いです!応援してます! (2020年8月29日 21時) (レス) id: 0e56321508 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - それもだけど、某四神様のお庭番でも出てたよ! (2020年8月27日 15時) (レス) id: c8d55d9fc3 (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - とても面白いのです!続きが気になります。 (2020年2月23日 10時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 余計な傷をふやすなよwww太宰、夢主ちゃんが可哀想やん。 (2019年11月10日 21時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - 雪さん!もしかして其れ某忍者漫画ですか!?作者様!すっっっっっごく面白いです!更新ファイト! (2019年11月3日 1時) (レス) id: 3797fcfa5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:初音アン | 作者ホームページ:http://twitter.com/hakureiaria5
作成日時:2019年9月2日 0時