生まれ変わったら、派手な人に養子にされた

鑢「まつり、」 ページ3

基本まつりside






鑢「まつり」


まだ私がちゃんと前世を思い出していなかった時のことだ。


『どうしたの、父さん』


鑢「お前、虚刀流はもう完璧か？」


『じっせんは難しいけど、かたは全部おぼえたよ』


鑢「ほー。流石俺ととがめの娘だな。
んじゃ、」


＿＿＿もう、俺がいなくても大丈夫だな。



『へ、…？』



突然、家に振動が起きた。
大きい音がした方を見ると、そこには大きな穴が空いた壁。


『あぁぁぁぁぁ壁がぁぁぁぁあ！』


鑢「お、早速来やがったか」


『どうしてくれんだ直すのめんどくさいんだぞ！？』←


鑢「お前そこ気にするかー？」


というか壊したの誰だよ！？

そう思い、もう一度そちらを見る。と…、




「…へ、……へッ…。
にんげん、人間だァァァ……！」



『ひぇ』


そこには明らかに人間ではない、別の何かがいた。


『と、父さん…あれ…！』


鑢「お前はまだ見たことなかったな。
いいか、まつり。よく見ろ。あれがな、鬼だ」



鬼。
よく性格の怖い人やら人間とは思えない人に使われる表現。…嫌、そういう人に限って意外に優しい人もいるけれど。
物語で有名なら桃太郎や泣いた赤鬼だな。


…ってそうじゃない。
思わず現実逃避するが、違う。鬼。
え、あの？嘘だろ。


『…と、父さん。あれって、』


鑢「ん、本物」


『嘘でしょう！？』


その鬼はこちらを見てにやぁ、と笑う。


鑢「嫌な、お前にちょっと鬼と実戦してもらおうと思ったんだが、」


『だ、だが？』


鑢「やっぱり俺は頭を使うのが苦手らしい。
計算を間違えた」


『は？！』


鑢「まつり、」



＿＿＿逃げろ。

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