仮面ライダー短編集 (ページ2)

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何年かぶりの気持ち（宝生永夢）ページ2

『小児科医になったんだね、おめでとう』

高校の同窓会。
私は宝生くんと話している。
彼はあまり友達と言える人はいなかったと思う。ずっと教室でもどこにいてもゲームをしていた。それなのに成績はトップクラスの凄い人だ。誰も近寄らないのは当然だったと思う。

話しかけてきたのは宝生くんの方からだった。
あまり話したことはない気がするのだけど、
もうひと通り元同級生とは話し終えていたので
宝生くんと近況報告などをしていた。

「ありがとう。」

正直気まずい。それにしてもなぜ私に話しかけてきたのだろう。特にこれといった思い出もなかったはず。

「そうだ。この後空いてる？ちょっとだけふたりきりで話がしたい。」

『あ、うん。』

私達2人は同窓会の会場を出て近所の公園のベンチに腰をかけた。

『話したいことって？』

「あ、えっとね。凄い言いづらいんだけどさ」

『うん』

「今付き合ってる人っている？」

『えっ？あぁ、いないよ…』

「そっか。なら」

宝生くんがこちらを向く。
私の中に謎の緊張が走る。

「僕と」

手を取られる。顔が近づく。

心臓が高鳴る。

「付き合って、ください」