section.64 ページ25
エマと勿論同じ距離、同じ場所、同じ地形を走った。彼女ががいくら子供二人を抱えて走っていたからと言っても、クローネにもさすがに疲れは見えるはず。
そう思った矢先の目の前の光景にエマは微かに目を見開いた。
疲れなど何処にもない、寧ろゆったりと気の抜けた感じで足音を立てながら歩いている。これが大人と子供の差？それともシスターが私達を育てる飼育員、だから？と浮かぶ疑問に頭を悩ませる。
「知ってる？ノーマンの弱点は体力。昔体が弱かったんですってね」
と、息のしずらい中で考え事をしていれば、突然…クローネは口を開きノーマンの弱点、について話し始めた。
今この場には明らかに関係なく、そして必要のないであろう話し。なぜ唐突にこの様な話を持ち出してきたのか勿論エマには分かるはずがなく、必死に息を押し殺しながらゆっくりと砂利を踏み歩くクローネの言葉に耳を傾けた。
「レイの弱点は諦めが少し早いところ。判断が早い分切り捨ててしまうのも早いのね」
次はレイ…先程からの弱点の話に間違った点は一つもない。
全て合っている、とエマは固唾を呑む。誰からの情報かも、独自の情報かも分からない…ただ、分かるのは彼女に自身達の弱点を把握されているということ。
弱点は突かれると痛いもの、計画を進める上では不利になること間違い無し。敵には決して知られてはいけない弱点を知られている…これほどにまずいことは無いだろう。
「ライの弱点はノーマン。ライはノーマンと同じ時期に入ったんですってね？だからこそ、他の子供達より一際信頼を寄せている…でもそれが悪い点。
ノーマン関連の事になるとわかりやすく動揺しちゃうのよ。現に、さっきの時も笑顔が少し不自然だったもの」
思わずえっ、と声を漏らしそうになったエマは咄嗟に開きかけた口を閉じる。
確かにライがノーマンへ他の子供達と違い、一際信頼を寄せているのは誰から見てもわかる事だった。だが、後半の話についてエマは納得がいかなかった。
脳裏に浮かぶのは先程のライの様子…どこも不自然な所は無いはずだ、演技なら人一倍上手く相手を騙している、有り得ない、とエマは眉根を寄せた。
彼女さえも気付かないライの異変にクローネは気付いたのだ、物凄い観察眼に背中がひやりと凍る。
「そしてエマ、貴方の弱点は甘さ。追われているのに他の子抱えて逃げちゃうような甘さよね」
等々最後、自身では気付かない自身の弱点を指摘されエマの手に力が籠った。
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月13日 10時) (
レス) @page26 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あみぅ(プロフ) - とても面白かったです！ (2022年2月15日 20時) (レス) id: a362ff7dca (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 約ネバ二期楽しみだねー！菫の更新も楽しみにしてるよー！更新頑張ってね！(*^^*) (2019年12月25日 10時) (レス) id: b6663c3d84 (このIDを非表示/違反報告)
菫の花(プロフ) - 1121さん» えっ、あっ…ありがとうございます！！！一番好きだなんてお言葉、私には勿体ない限りで…とても嬉しい限りです！最近全く更新が出来ていないにも関わらず暖かなコメント痛み入ります…これからもゆっくりと更新していこうと思っているのでどうかよろしくお願いします！ (2019年9月9日 14時) (レス) id: b66ba73815 (このIDを非表示/違反報告)
1121 - このお話が１番好きです。これからもがんばってください。続きを楽しみです。応援しています。 (2019年9月9日 6時) (レス) id: c7ea2c1da4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫の花 x他1人 | 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2019年2月20日 6時
