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アイツ(ライ)が泣くのはもう何年も前に見たくらいだ。
大きく…大人になっていくにつれ、アイツは全く泣かなくなった。
それよか、エマの様に何時も笑って兄弟達の世話や手伝いを率先した。
でも、ノーマンが言ってる事は本当なんだろう…
あの日の夜…ノーマンに抱きかかえられ、すーすーと寝息を立てながら
少し苦しげな顔のアイツの頬には僅かに涙の跡が残っていた。
｢弱い所を必死に隠そうとして、泣きながら笑ったんだけど
そのあと大泣きしちゃって…なんでみんなが食べられなきゃ行けないのって…
ライの中では怖いなんて微塵もなくてただ、悲しくて辛くて悔しくて泣いてたんだよ。
人の、家族の為に泣いたんだ。｣
エマを見る時とは違った、優しげな目線でライを見つめふっと笑みを浮かべる。
何度も何度も…見た事がある、俺が唯一苦手な
微かに顔を歪めた俺は身を乗り出し必死に正しくない、と否定する。
｢泥舟だぞ！ぶっちゃけ4人だろ？4人なら逃げられる！｣
そんな俺の言葉にノーマンは微かに顔を俯けた。
何でだよ…さっさと認めろよ、この日の為に俺は……っ！
ぐっと両手に自然と力が入り同時に自分が苛立ちを感じているのが分かった。
だから俺はその苛立ちに任せて続けざまに声を上げた。
｢お前は正しい、自分を恥じるな。
情で判断を捻じ曲げるな、ノーマン！｣
そう、お前は正しいんだ…そのはずなんだよ。
そのはずなのに、アイツは｢違うよ、レイ｣とにっこり笑って否定した。
違うって何がだよ！と口を開こうとする前にアイツは先に口を開く。
"｢僕も泥舟を作りたいんだ。｣"
両手を大きく広げ、清々しい程の笑顔を浮かべたノーマンに俺は目を見開いた。
何でだよ…ついつい口から声が漏れる。
｢お前は違うだろ！もっと冷静で、何時だって正解を…！｣
俺はノーマンに歩み寄り胸ぐらを乱暴にガシッと掴みあげた。
なのに、どうして?!と問えばアイツはふっと口元に笑みを含む。
｢好きだから。好きだから、2人には…ライには笑っていてほしいんだ。｣
君なら僕の気持ち、分かるよね…レイ？なんて言ってノーマンはニッコリと
何時もでは有り得ないくらいの満面の笑みを浮かべて答える。
分かるもんか…分かってたまるか……ッ!!
言い返してやりたいのに否定の声が出てこなかった。
("やっぱり"否定はしないんだ。)
(………)
(レイは小さい頃、ライが好きだったもんね。)
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (10月13日 10時) (
レス) @page26 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あみぅ(プロフ) - とても面白かったです！ (2022年2月15日 20時) (レス) id: a362ff7dca (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 約ネバ二期楽しみだねー！菫の更新も楽しみにしてるよー！更新頑張ってね！(*^^*) (2019年12月25日 10時) (レス) id: b6663c3d84 (このIDを非表示/違反報告)
菫の花(プロフ) - 1121さん» えっ、あっ…ありがとうございます！！！一番好きだなんてお言葉、私には勿体ない限りで…とても嬉しい限りです！最近全く更新が出来ていないにも関わらず暖かなコメント痛み入ります…これからもゆっくりと更新していこうと思っているのでどうかよろしくお願いします！ (2019年9月9日 14時) (レス) id: b66ba73815 (このIDを非表示/違反報告)
1121 - このお話が１番好きです。これからもがんばってください。続きを楽しみです。応援しています。 (2019年9月9日 6時) (レス) id: c7ea2c1da4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫の花 x他1人 | 作者ホームページ：http://urana
作成日時：2019年2月20日 6時
