【花のち晴れ】ねぇ、恋って…

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｢庶民狩りだー！！｣





今日も1人の生徒がそう言いながら学園を慌ただしく走る







また始まった…私にとっての憂鬱な時間が









バンッ








音を立てたのはC6のリーダー神楽木晴






晴｢2年D組、小松原拓だな。｣








平｢昨年度から寄付金ゼロ。授業料も前期分を滞納している。どういうことか説明を。｣








彼等の言葉に怯えたように口を開く小松原拓と呼ばれた男子







｢…父の、会社の…経営がｯ……上手くいってなくて…けっ、けどｯ！立て直しの最中で、半年以内には滞納分もまとめて全部………ｯｯ！｣







何とか逃れようと頑張って絞り出す言葉







でも晴が許すなんて事は無い









話は最後まで聞かずとも分かっていると思うが…








男子生徒に退学届けが差し出された







晴｢庶民狩りに、例外は無い。お前は英徳の品格を損なった。｣






最後の決め台詞





ほんと、吐き気がするよ








｢ちょっと話をｯ…！！｣







晴｢学園に庶民はいらない。24時間以内に退学届けを提出して立ち去れ。｣









｢そんな……待ってｯ！おいｯ、待ってっておいｯ！！｣







いつもの敬語を忘れ晴にしがみつこうとした男子生徒







それを杉丸が相手の顔めがけて拳を突き出し止めた








脅しだった為顔には直撃しなかったが男子生徒は床にへたり込んでしまった








愛莉｢みんなもちゃんと寄付よろしくね！じゃないと…庶民狩りしちゃうから。｣









可愛らしくも怖い笑顔を残しみなと共に去っていった愛莉









その光景を見て何時も思う







バカバカしい…何でこんな事をやらなくちゃいけないの









でもそんな事言えない







言えるはずが無い









私にはそんな勇気なんて全く無いから









だから…








『ごめんね…小松原くん。』









そうやって謝る事しか出来ないんだ









小松原拓は顔を上げ私を見て手を伸ばしてきた









助けて…というSOS









でもその手が触れる前に迎えが来た








愛莉｢菫！遅いよ〜！！｣









『ごめん。』








私は身を翻し愛梨の元へと駆け寄った








もう一度彼を見ようとしたが沢山の生徒に囲まれ見えなかった









愛莉｢も〜ほんと菫って優し過ぎ！！｣






『そんな事ないと思うけどなぁ…』






さっきの光景を見ていたのかそう言った愛梨に苦笑した








あぁ、胸が痛い

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