推しに愛でられるのは嬉しいがこれは違う2 ページ27
「……精巧に作られたフィギュアってこんな感じですよね」
「可愛い…持ち帰りたい…」
ツムルくんが私を見て頬を紅潮させながら呟いた、その隣で胸を押え天井を見上げ限界突破したイフリート先生がいる。そんな二人に鼻で笑った私は万事屋の侍、銀さん見たいな死んだ魚のような目で見上げたりする。
「はは、何でしたら歌って踊れますよ…売ったらプレミア付きそうですね」
「呪い人形として黒魔術に使われそうだがな。全くお前はいつもいつも面倒事に巻き込まれる…どうしてそうなるんだ」
「まぁまぁカルエゴくん、今のAさんにそんな言葉で追い討ちを掛けたら流石に泣いちゃうよ…」
苦々しく顔を歪めたカルエゴくんと、生物学や本に詳しいだろうシチロウくんも職員室に呼び私の今の姿を見せた。人差し指で優しくシチロウくんに撫で回されるのは何だか擽ったくて身を捩る。
「自暴自棄にならないで下さいA先生…先ずは落ち着きましょう、誰がなんて言おうと貴女は悪魔なんですから」
「そうですよ、今の姿も可愛いですけど…何とか元に戻る方法を考えないと」
イポス先生とマーチくんに慰め励まされながら、潤む瞳で頷けばダリくんが閃いたように告げる。今日一日私の世話係を受け持つ先生を決めようと……次の瞬間名乗りを上げたツムルくんとイフリート先生は仕事で扱う書類を提出していないから駄目ですとダリくんから笑顔の一刀両断。
カルエゴくんは筆頭教師の為サリバン理事長からの無茶振りで手を焼き忙しいらしく、シチロウくんは空想生物学の学会に顔を出さないといけないからと申し訳なさげに断りを入れた。マーチくんも世話係をするのは構わないが、彼は拷問学だし何か怪我でもあったら大変だと周りからの駄目だと却下された。
ダリくんが私の世話係になるのか?と彼を見ればヘラヘラとした笑みを零して降参ポーズを取る、何でもスージー先生から少し頭を冷やして彼女からの許しが出るまでは二人きりにさせるつもりも無いし私へ近付いてはいけないと言うのだ。今日に限ってスージー先生とライム先生が当直だから教師寮は私以外誰もいない、それを心配しての事だろう…
「一応、簡単な魔術なら扱えますよ?」
「……でもやっぱり一人にさせるのは心配ですし、ここはイチョウ先生に任せましょうか」
「えっ、俺ですか…あの、A先生は気心が知れた相手の方が気は楽だと思うんですけど」
「ですが他に適任者はおりませんし、引き受けてくれますよね?」
「は…はい」
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akithin.(プロフ) - 凄く面白かったです!更新楽しみにしています! (4月28日 2時) (レス) id: 99ff633255 (このIDを非表示/違反報告)
72 - 久しぶりの更新楽しみにしてました!!体調に気をつけて頑張ってください (3月29日 16時) (レス) id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです!最近更新されていませんが続きを楽しにみ待っています!! (2023年4月9日 22時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - すみませんがもう更新はされないのでしょうか? (2023年3月26日 0時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - イポス先生の出番!!いつも更新ありがとうございます!! (2023年2月21日 21時) (レス) @page28 id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年2月6日 9時