××章 ページ1
Noside
とある一室。その部屋は沢山の機械に囲まれていた。スピーカーやミキサー、また高価そうではあるが何に使うか全くもって分からない機械など。
しかし、その中で最も目を引くのは大きなモニターである。
そのモニターの前に、一人の少女が傅いていた。
「我がマスター。貴方は一体何処へ行ったのですか？」
ふと彼女から小さな呟きがぽつりと聞こえた。彼女は顔を深く下げているため、どのような表情をしているかは分からない。しかしその声はとても傷つき、悲しみに打ちひしがれていた。
「マスター。私達のマスターは貴方ただ一人なのです。ですから早く戻ってきて下さい…！」
モニターに向かって彼女は祈る。その願いがマスターに願う筈が無いと分かっていても、だ。このモニターでしか見ることが出来なかったマスターに向けて、必死に祈り続ける。
「マスター。私達は貴方以外の方をここのマスターになどしたくありません。ですからここを乗っ取ろうとする魔術師も、マスター候補生も全て排除したのです。まぁしかし魔術師協会も懲りずにまたこちらにマスター候補生を送り付けてきたのですが。」
いくら話をしても、モニターに向かって祈っていてもマスターに届くことは無い。マスターがここに帰っては来ない。その事を彼女は頭の中では理解していた。
しかし、それでも彼女は傅き、祈るのである。
「王よ、もうそろそろマスター候補生の到着予定時刻です。」
誰かが、扉の前に立っていた。少女を王と慕い、ずっと忠誠を誓った騎士である。
その声に少女は顔を上げ、ゆっくりと立ち上がった。
「もうそんな時間ですか、ベディヴィエール。」
「えぇ。皆様もうロビーにお集まりになられています。」
「分かりました、私も向かうとしましょう。」
言葉を発し、モニターに背を向けて歩き出す。
そして、彼女は小さく呟いた。
「あの王の計画が失敗することが無いことを私は祈りましょう。祈ることしか出来ないことが歯痒いですが。」
その声は、騎士には聞こえない。
ただ部屋の静寂に飲まれていった。
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暁月琥珀 - 続きがみたいです、、、！！！ (10月25日 12時) (
レス) @page16 id: 07fe1f8faa (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - とても大好きです!!!!!もう更新はしゃはらへんのですか？ (2023年4月17日 1時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
蓮城瑠夏(プロフ) - 一気読みさせていただきました！！にょたギルサイコー！！更新お待ちしております！！！！！！！ (2023年2月19日 10時) (レス) @page16 id: 5600ed0ad1 (このIDを非表示/違反報告)
弱小なイカ(プロフ) - コメント失礼します。素敵な作品ですね！キャラの口調も丁寧に再現されていてとても読みやすいです。今後の展開がますます気になります！更新楽しみにしておりますね！作者様も無理のないペースで頑張って下さい！ (2022年4月28日 7時) (レス) id: b0ea0b2876 (このIDを非表示/違反報告)
アウル(プロフ) - すき…更新頑張ってください。 (2021年6月11日 11時) (レス) id: 33561a1a70 (このIDを非表示/違反報告)
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