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夏季キャンプから帰ってきて、暗示を使って他のメンバーの呪力の凍結を解除した。

これで、少なくとも大人達に不審がられる事はない。

私達はひとまず処分の心配を免れた、と一安心した。
そして、それから1週間。
私達は高熱を出して、皆して寝込んでしまった。

体調が良くなって、全人学級に登校するようになっても、まだ両親は帰ってこなかった。

□■□■□■□■□■

夏季キャンプから3ヶ月がたとうとしていた。

元々家事は1人でできるように教えられていたし、
生活面では特に困ることはなかった。

けれど…
私の心の中で日増しに不穏な予感が増えていった。
最近、夜も眠れなくなり、
早希や瞬にも、顔色が悪いために、体調を心配される有様だった。

そして、ある日の放課後、太陽王に呼び出されて、面接室にいた。
そこにいたのは倫理委員会を自称する男女で、
私はやたらと苦いお茶を勧められた。

「蓮水さん…驚かないで聞いてね。
本当に残念なことなんだけれど、あなたのご両親の死亡が確認されたの…」

言葉の意味を認識するのに、少し時間がかかった。
信じられない、と思う反面、心のどこかでああ、やっぱりと納得する声がした。

「…そう、ですか。」

一言喋るのが精一杯だった。何故とか、どこで、とか、聞きたいことは山ほどあるのに、意識が混濁していて聞くことが出来ない。

「…これ…」

申し訳なさそうに差し出された小さな箱には、
2人分の遺骨が収められていた。

□■□■□■□■□■

「おはよう〜」

いつものように1班のメンバーに挨拶する。
倫理委員会の人は、落ち着くまで全人学級を休んでいいと言われたけど、私は休むこと無く登校した。

むしろ、学校を休んで、2人の遺骨と家にいる方が耐えられなかった。

私はいつも通り過ごしていたと思う。
それは、親を亡くして間もない子供とは思えないほど不自然に。
私の中の外側だけがいつもと同じように振る舞い、
本当の自分は、内側に籠って現実から逃げている様な感じだった。

「A?? 最近ほんとに大丈夫??」

「うん…。」

「私達に、できることがあればなんでも言ってね…」

早希が辛そうな表情で言った。
早希達の気持ちは嬉しかったが、
死んでしまった2人はもう二度と帰ってくることはない。

早希達と別れて、誰も待っていない家へと向かう。

その時、異様に大きな猫のような影が、視界の端を横切った気がした。

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設定タグ:新世界より , 鏑木肆星   
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- 初コメ失礼します。私は鏑木さんが大好ぶt… 大好きなのでうれしいです。続きを楽しみにしています。 (2021年6月16日 18時) (レス) id: da1440f3b3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚 - 最近碧さんの書かれるこのお話を知りました。新世界よりの夢小説はなかなか珍しいので続き楽しみに待ってます。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: 98e28c3fa5 (このIDを非表示/違反報告)
- LiLi様 コメントありがとうございます!! 先は長いですがゆっくり進めていこうと思ってますので、気長に待ってて下さい(´▽`) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 79787a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - 新世界より、わたしはアニメにどハマりしました!!!すごく嬉しいです!更新待ってます応援してます(*゚∀゚*) (2019年8月30日 1時) (レス) id: 844718911f (このIDを非表示/違反報告)
- かなと様 ご指摘ありがとうございます。不注意でした…フラグ外しました。 (2019年8月24日 20時) (レス) id: 5ef3e2de9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月24日 19時

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