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搬球トーナメントの後、暫くはなんとも言えない後味の悪さが残っていたが、それも全人学級最大のイベントである夏季キャンプが近付くにつれて、薄まっていった。
私たちの話題は専ら夏季キャンプの御飯のメニューや、ナイトカヌーについてで、片山学が登校してこなくなったことに関して、誰も話題に上げなかった。
この頃、夏季キャンプに向けて気分が高揚していく私とは反対に、両親は時折暗い表情を見せるようになっていた。
そして、夏季キャンプを翌日に控えた日の晩。
「A。大切な話があるんだ。 」
両親はお互いに顔を見合わせて、小さく頷いた。
「お父さんとお母さんは町の用事で暫くは八丁標の外に出ることになったんだ。今回は少し長くなるかもしれない。」
以前から両親が「町の用事」だと言って家を空けることがあった。それは父だけだったり、母だけだったり、2人で出かけることもあった。期間も短ければ3日、長くて1ヶ月とまちまちだった。
けれど、こんなに深刻そうな2人を見るのははじめてだった。
「いい?A。お父さんとお母さんが暫く帰ってこなくても、ちゃんとご飯食べて、ちゃんと全人学級に通って…」
「…お父さん??お母さん??何言ってるの??
私、留守番くらいできるよ！帰ってきたらまた3人でトラバサミ食べよう！」
私の言葉に、2人はハッとした表情をになってぎこちなく笑った。
私の母は一族に伝わる未来予知の力を持っている。
それは完璧な予知には程遠い能力だったけれど…
この時母になにが見えていたか、私は想像だにしていなかった。
□■□■□■□■□■
夏季キャンプ当日の朝、私は瞬とペアを組んでカヌーに乗っていた。
「A??気分が悪いの??」
「ううん…大丈夫。」
実は昨日の両親の言葉が気になって、カヌーの操縦に集中出来ないでいた。
瞬が私に合わせてくれなければ、カヌーは全く進まなかっただろう。
早希と覚のペアは相性最悪で1番後ろから着いてきていた。
逆に真理亜と守のペアは順調に先頭を進んでいた。
私達は適当にカヤノスズクリの観察をして、
初日は早めにテントを張ることにした。
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銀 - 初コメ失礼します。私は鏑木さんが大好ぶｔ… 大好きなのでうれしいです。続きを楽しみにしています。 (2021年6月16日 18時) (
レス) id: da1440f3b3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚 - 最近碧さんの書かれるこのお話を知りました。新世界よりの夢小説はなかなか珍しいので続き楽しみに待ってます。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: 98e28c3fa5 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - LiLi様 コメントありがとうございます!! 先は長いですがゆっくり進めていこうと思ってますので、気長に待ってて下さい(´▽`) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 79787a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - 新世界より、わたしはアニメにどハマりしました！！！すごく嬉しいです！更新待ってます応援してます(*ﾟ∀ﾟ*) (2019年8月30日 1時) (レス) id: 844718911f (このIDを非表示/違反報告)
碧 - かなと様 ご指摘ありがとうございます。不注意でした…フラグ外しました。 (2019年8月24日 20時) (レス) id: 5ef3e2de9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2019年8月24日 19時
