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予想外の展開に、私は固まってしまった。

「…どうした、A?」

肆星さんは私の反応を面白がる様に、もう一度私の名前を読んでくすりと笑った。

心臓の鼓動が早くなって、自分の顔が耳まで赤くなっている事が、鏡を見なくても分かった。

「…あ、あのっ!」

何か言わなければ、と思って言葉を発した時だった。

教室のドアが空き、遠藤先生が帰ってきた。

「今日は大雨の影響で、早帰りになりました。
…蓮水さんも、これ以上水路が増水しないうちに帰ってください。
…肆星さん、本日はそういうことになりましたので。」

職員会議で決まった事を告げると、遠藤先生は忙しそうに教室を後にした。

「…だ、そうだ。雨も酷くなってきたし、私が家まで送ろう。」

「はい。…えっ?」

またしても事態は私の予想外の方に進んだのだった。

□■□■□■□■□■

「しっかり私の手に捕まって。」

差し出された肆星さんの大きな手。

てっきり船で送ってくれるのだと思っていたのに…

どうやら浮遊術で家まで送ってくれるらしい。

差し出された手をおずおずと握れば、想像したよりもずっと強い力で握り返された。

次の瞬間、私と肆星さんの体は宙に浮かんでいた。


「すみません…わざわざ送っていただいて。」

足元に神栖66町の街並みを見ながらお礼を言う。

「構わない。どちらにしろ、これから安全保障会議の定例会に行かねばならない。

それに…残りの特別授業の回数も限られているだろうからね。」

肆星さんの言葉に、心がちくりと痛んだ。

確かに、もうそろそろ他の入学者が出てもおかしくない時期だった。

もう肆星さんに会えないかもしれない…

「呪力の勉強を一生懸命続けなさい。
そうすればいつかまた会える。」

私の気持ちを察してか、肆星さんが言った。

そして、私の手を握る肆星さんの手に力がこもった。

「…はい。」

私はそう答えるのが精一杯だった。

きっと今の私は泣きそうな顔をしているだろう。



そして、次の週には他の入学者が現れ、本当にこの日の特別授業が最後になったのだった。

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- 初コメ失礼します。私は鏑木さんが大好ぶt… 大好きなのでうれしいです。続きを楽しみにしています。 (2021年6月16日 18時) (レス) id: da1440f3b3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚 - 最近碧さんの書かれるこのお話を知りました。新世界よりの夢小説はなかなか珍しいので続き楽しみに待ってます。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: 98e28c3fa5 (このIDを非表示/違反報告)
- LiLi様 コメントありがとうございます!! 先は長いですがゆっくり進めていこうと思ってますので、気長に待ってて下さい(´▽`) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 79787a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - 新世界より、わたしはアニメにどハマりしました!!!すごく嬉しいです!更新待ってます応援してます(*゚∀゚*) (2019年8月30日 1時) (レス) id: 844718911f (このIDを非表示/違反報告)
- かなと様 ご指摘ありがとうございます。不注意でした…フラグ外しました。 (2019年8月24日 20時) (レス) id: 5ef3e2de9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月24日 19時

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